きのうの夜、TBSテレビの「NEWS23」を見て
驚いた。トップニュースで
森友学園疑惑の渦中で自殺した
近畿財務局職員の赤木俊夫さんをめぐる訴訟が
突然終結するというのだ。
終結とはいったい何がおきたのか?
ニュースの内容によると、
国が原告である
未亡人の雅子さんの損害賠償請求を受け入れたことを
裁判所が「認諾」したということだ。
認諾という言葉は法学部卒業でありながら
初めて知った法律用語だ。
なんと民事訴訟法266条・267条に規定されていて
認諾になれば判決と同じ効力を持ち
この裁判の場合は
国がただちに赤木雅子さん側に
賠償金を全額支払わないと強制執行を
裁判所が行うことが出来るとされているが、
雅子さんが求めていた
夫の自殺をもたらした「本当の理由」を
裁判を通じて明らかにすることが出来ないというのだ。
「同じような裁判を行うことは出来ない。
蒸し返しをするようなことが出来ないようになっている。」
と記者会見での代理人弁護士のコメント。
「ふざけんなと思います。
お金を払えば済む問題じゃない。
私は夫がなぜ死んだのか、
なぜ死ななければいけなかったのか知りたい。」
雅子さんも会見で怒りをぶつけている。
あの「赤木ファイル」はやっと見ることが出来たが
肝心なところが黒塗りに終わった。
ならば裁判で俊夫さんの周辺にいた人を
証人として呼び出して
尋問による審理を行うはずだったのに
結局はこれ以上あの「文書改ざん」の事実が
露わになってくるのを
政府側が恐れたということだろう。
「精神面、肉体面において、
過剰な負荷が継続したことにより、
病気・休職、さらには自死に至ったことについて
国の責任は明らかとの結論に至る。」と
その記者陣から、これから関係者を尋問するタイミングで
こうするのは何かあるのではと訊かれて
「決してそういうわけではない。」と言ったその顔は
明らかに引きつっていた(同番組の映像にて)。
すっかり国民の関心がなくなってきた
「モリカケ桜疑惑」だが
この時期に無理矢理幕引きをしてしまおうとは
まさに安倍晋三の圧力が
岸田首相にガッチリと掛かってきたとしか
思えないのである。
賠償金を払えば納得すると思ったら大間違いということは
人の話を聴くことが得意な首相なら
わかっているはずだが・・・
なお今後は佐川宣寿理財局長(当時)に対する
損害賠償訴訟が続くが
果たして真相が追及されるのか。
野党もぜひ忘れることなく疑惑解明に努めてほしい。