核抑止論に反発した広島県知事と広島市長 ( #広島 #長崎 #原爆 #ヒロシマ #岸田首相 )

6日に行われた広島原爆祈念式典。

以前だったら首相のあいさつが

前年の「コピペ」だったという指摘が

盛り上がったが、

今回はなんといっても

被爆地の出身でありながら

核廃絶よりも核抑止のほうに

傾いたいまの首相が何を語り

そのあとにどんな反応が起きたかが

焦点となった。

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しかし、岸田首相は

あくまでも非核三原則を堅持して

核兵器のない世界の実現へ向けた努力をするという

内容だけであとはG7サミットの成果くらいしか

語ったことはなかった。

あまりにも薄すぎて

自衛のための核抑止に関する具体的な見解で

誰もツッコミを入れることができなかった。

と、思ったら

湯崎英彦広島県知事があいさつの中で

G7サミットで広島ビジョンに署名した

参加各国の決意の重さを感じた上で

核抑止論の信望者に問いかけるように、

「あなたは、今この瞬間も命を落としている、

 無辜のウクライナの市民に対し、責任を負えるのですか。

 ウクライナ核兵器を放棄したから侵略を受けているのではありません。

 ロシアが核兵器を持っているから侵略を止められないのです。

 核兵器国による非核兵器国への侵略を、

 止められないという現在の状況は、

 安定・不安定パラドックスとして、

 核抑止論から予想されてきたことではないですか。

 また、あなたは、万が一、核抑止が破綻した場合、

 全人類の命、場合によっては地球上の全ての生命に対し責任を負えるのですか。

 あなたは、世界で核戦争が起こったら、

 こんなことが起こるとは思わなかった、と肩をすくめるだけなのでしょうか。

 核兵器は、存在する限り人類滅亡の可能性をはらんでいる、

 というのがまぎれもない現実です。

 その可能性をゼロにするためには、廃絶のほかない、というのも現実なのです。」

として、どんなに厳しい安全保障環境にあっても

軍縮を進めるべきだと、

それも核抑止論者に訴えるかのように。

また、松井一実広島市長はあいさつの中で

「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない。

 他人の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるのだ」

というトルストイの遺した言葉を引用して

「他者を威嚇し、

 その存在をも否定するという行動をしてまで

 自分中心の考えを貫くことが許されてよいのか。」

とロシアの動きを憂慮する発言をした上で

保有国はこれからも被爆地を訪れ、

核兵器を使用した際の結末を直視し

国民の生命と財産を守るためには、

核兵器を無くすこと以外に根本的な解決策は見いだせないことを

確信していただきたいと訴えた。

そして岸田首相に

来年の核兵器禁止条約の締約国会議に参加して

「一刻も早く締約国となり、

 核兵器廃絶に向けた動きを後押しすることを強く求めます。」とも。

そう言っても無視するのが

いまの岸田テイストなんだから

聞く力なんて最初からなかったんじゃないのと。


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日刊ゲンダイのきのうの記事では

 対米追従のやり方に「二枚舌の情けなさ」と。)

9日の長崎の平和祈念式典は

台風接近による会場と式次第の変更のために

首相は出席しないそうだ。

となるとビデオメッセージで

6日のあいさつを「広島」を「長崎」にしたうえで

完コピなんかやるのだろうか。

そっちのほうに注目しなきゃなんないとは

悲しいよなぁ。

 

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