ひろしま平和ノートから「はだしのゲン」削除に反対の声が次々と

広島市教育委員会(市教委)が

平和教育プログラムの教材(ひろしま平和ノート)から

漫画「はだしのゲン」が削除されたことについて

「#はだしのゲンを無くすことに抗議します」の書き込みが

ツイッター上で続出。ネット署名活動も行われ(既に市教委に提出済み)

その中には

「教科書から外すのは許せないけど、

 みんなで広げていきましょう。はだしのゲンを。」

と歌手加藤登紀子のもあった。

2月27日の東京新聞夕刊の記事(上の写真)で

このことを初めて知った。

記事ではこの見直しの件は2019年度に

プログラム改善へ向けて有識者会議が設けたと。

そこで教員側から「浪曲の場面の理解が難しい」

「コイを盗ってよいのかという問題にされてしまう」

との指摘があったという(共同通信が入手した議事録による。)。

しかし、それから4年の間に

何も変わらずのそのままにしたのはなぜか?

(コロナ禍は言い訳にはできないと思う。)

なぜいまのタイミングで「削除」なのかが理解できないのだ。

会議では他に

はだしのゲンは児童にとって身近なので

 (ゲンの)思いを表現しやすい。浪曲

 教員が補足的に説明しやすい」という意見も出た。

そこもあったのか?

「削除ありきの議論だったのでは」

金沢市NPO法人はだしのゲンをひろめる会」

の神田順一事務局長(73歳)も

疑問視している。

被爆地の広島でこうなるとほかの自治体に影響が出るかもしれないと。

過去に松江市泉佐野市で学校から排除されたことが

また繰り返されることが危惧されているのだ。

「時代が変わる中で子どもの心に届くものを

 探り、改訂に至った。

 ゲンが持つ力はまったく否定していない。」と

市教委側は強調しているようだが(高田尚志・指導第一課長)、

だったら、こうの史代の「この世界の片隅に」は

検討したのでしょうかね?

こちらは映画化されて大反響を呼び

NHKでは「あちこちのすずさん」という

戦争の記憶を伝える企画番組まで出来たくらいなのですから

ほんとうならゲンの代わりにひろしま平和ノートの中に入っても

不思議はないはずですが。

やっぱり教育現場に

漫画の持ち込みはダメなのか?

 

 ゲンの母「いつも戦争をおこそうとする企てをはやく見破って、

 みんなで声を張り上げ反対してふせぐのよ。

 国のためだと言って戦争して、かげでもうけるやつがいつもおるんじゃけえ」

 先生「政治をしっかりみつめてほしいのじゃ。

 政治から目を離し背を向けると知らぬまに戦争の準備がされ、

 気がついたときはおそいのじゃ」

 

この作中のセリフについて

ラサール石井さんは日刊ゲンダイの連載で

「これは今の子供たちに絶対に教えなければいけないことだろう。

 ひょっとしたらそう思ってもらっては困るのでは。

 子供たちにはすすんで

 戦争に行く気持ちを持ってもらいたい人たちがいるのでは。

 そう勘繰りたくなる。」

私もこれには同感。

為政者たちがはだしのゲン不都合な真実

排除するのならば強く「ノー!」と言わなければ。

最後にラサール氏も私も

現代への警鐘だと感じたこのセリフを。

 

母「また戦争をよろこぶ流れがおきてしまったらもうおそいのよ。

 つぎつぎと治安維持法みたいな法律をつくられ

 完全ににげられないようにされ、

 人間がただの戦争する道具にされるんだから。」

 

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