「袴田さんが死ぬのを待つつもりなのか」
袴田事件の再審が決定して
お姉さんや弁護団、そして支援を続けてきた
すべての人々が喜びの声を上げてから約3か月、
静岡地方検察庁(検察)は10日に
静岡地方裁判所(地裁)で再審公判に
有罪を立証することを明らかにした。
これはどういうことかというと、
再審決定の理由となった
「みそ樽の中にあった5点の衣類」は
証拠の捏造(ねつぞう)ではなく、
袴田さんのものであるという「証拠」を示すための
時間をくれをいうことだ。
つまりは裁判所のいってることは大嘘であるということ以上に
弁護団こそが捏造をしたということだと
言いたいのだろう。
(上は読売新聞、下は東京新聞、
いずれも11日朝刊1面より。)
もちろん検察側はこういうことを
ストレートには言わない。
「法と証拠に基づき慎重に検討し、有罪立証できると判断した。」
「(特別抗告を)しなかったからといって、
(東京)高裁の決定を受け入れたことにはならない。」
「不当な『蒸し返し』にはあたらない。
制度上、(再審公判での主張は)確定審や再審請求審の判断には拘束されない。」
(東京新聞より。以下上と同じ。)
検察の奥田洋平次席検事はこのような
法的な建前論を言った上で
「高齢で、(事件発生から)時間が経過していることを踏まえ、
迅速な公判に全面的に協力する。」と
会見の最後でこう結んだそうだが
袴田さんである証拠を再度調査するとなれば
新たな捜査や調査などで時間が費やされることは必至だし
弁護団が衣類に着いていた血痕は
証拠にならないとした結論をどう覆すつもりなのか。
想像がつかない。
「検察庁だからとんでもないことをすると思っていた。
検察庁の都合でこうなっていると思う。
仕方がない。裁判で勝つしかない。」と
前述の姉・ひで子さん。
すでに検察に対するネット署名活動が始まった。
裁判を長引かせたくなかったら
やるべきことは一つ。
検察は自らの誤りを速やかに認めることである。