結局不起訴かい!関西電力と福井県高浜町の金銭授受疑惑

こんなニュースもう忘れたという人も多いが

私も10日の新聞記事を見て思いだした。

金品受領問題で告発された関西電力元役員らを不起訴 大阪地検特捜部:朝日新聞デジタル (asahi.com)

関西電力原子力発電所原発)が立地する

福井県高浜町の元助役が仕切りをして

同社の当時の経営幹部9人が

30年以上に渡って町の有力者から

約3億7千万円相当の金品を授受していたことで

会社法違反」で刑事告訴された件で

大阪地方検察庁(地検)は9日

不起訴処分にした。

関電、特捜部長「捜査尽くした」 起訴不起訴、両面から検討:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

「必要な関係者から話を聞けないのは捜査に難しい方向に働く」

この関係者とは元助役の森山栄治のことであると

判決後の記者会見で村中孝一特捜部長が直接ではないが

そういうことを語り

捜査をつくした結果だと説明をしたそうだ。

 

もともと森山が死去した後に

この「疑惑」が次々と報道されて

関電側もこの状況を無視できなくなって

第3者委員会を立ち上げて調査を進めたところ、

金品授受のみならず

「東日本大震災後の

 電気料金値上げに伴って減額した

 役員報酬について、役員の退任後に相談役などに委嘱する形で、

 関電側が計約2億6千万円を補塡していたことも判明した。」

(記事より抜粋)

これに関して、国税当局は正当な報酬とはいえないと判断し

「所得隠し」とみなして重加算税の対象としたのにも関わらず、

特捜部は補塡の分は

「嘱託としての業務実態がなかったとはいえない」

つまり委属された「形」は仕事をしてなかったという

証拠を得ることができなかったとして

これも「特別背任罪」にはあたらないと判断した。

 

ピンとこない話だと思われるだろうが、

今回の総選挙ではエネルギー政策が一応争点になっていて

原発の今後をめぐって与野党が真っ二つになって

争われた。その結果

原発がある選挙区は、ほとんど「推進派」の候補が

勝っている。

「 #総選挙2021 」終わる - shiraike’s blog (hatenablog.com)

しかし、これで原発に関するすべてのやり方が

「信任」されたわけではないのだ。

原発がつくられるまでに

どれだけのお金が動き

その運転が開始された後も

私たちの知らないところで

巨大な利権がうごめき、それが地域の安全を脅かしている事実が

あの福島第一原発事故で明らかになったのではないか。

傍聴できなかった「東電原発事故裁判」控訴審の初公判 - shiraike’s blog (hatenablog.com)

日本の刑法は企業の犯罪を罰することができない。

だから企業の社会的責任に対しては

民事裁判に訴えるしかない。

しかしこの矛盾のもとで

当時の経営と原発を管理する責任を負う人物が

ぬくぬくと特権を手放さずに

悠々自適の日々を送っているのである。

これを許すことができるだろうか?

 

ちなみに森山は事件が発覚したあと

「コイツは部落の出身者だからと」

「アイツは解放同盟に力を持っていた」と

ヘイトスピーチまがいの書き込みが

ツイッターなどで拡散されている。

部落解放同盟、関電原発マネー報道で「差別助長」と見解 | 週刊金曜日オンライン (kinyobi.co.jp)

死人に口なしの汚い仕打ちが

関電をよりぬるま湯体質にしていることを

本当は厳しく糾弾されるべきである。

 

東電柏崎原発の「テロ対策不備」ずさんすぎる実態 | どうする ニッポンの原発 | どうする ニッポンの原発 | 週刊東洋経済プラス (toyokeizai.net)