きのうNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」は
葛飾区にある夜間中学の教師
入江陽子さん(53歳)を取り上げていた。
「えっ!葛飾区にもあったの!」
最初は驚きだった。
なにしろ松戸市で自主夜間中学があることを知ったときに、
その原点は荒川区の公立夜間中学から始まったことを聞いていたが
葛飾区のことはまったく話に聞いたことがなかったからである。
その学校はお花茶屋にある
区立双葉中学校の夜間学級だった。
入江先生はここで国籍や年齢が多様な生徒たちに
勉強を教えるだけでなく、
趣味のギターなどで生徒たちとの
言葉を越えたコミュニケーションを積極的に行って
時にさまざまな理由で学ぶことに挫折してしまう
生徒たちを励まし、心の支えとなっている。
入江先生も最初のうちは
教えることに精いっぱいで
勝手なことをする生徒たちに
なめられないようにする事ばかりをしていたが
生徒たちが逆に反発し、退学者も出た。
その一人が学校を去る前に
親から虐げられた過去があったことを話し、
自分には居場所がなかったことを訴えた。
それを聞いた入江先生は
「教師である前に一人の人間として
すべてをさらけ出さなければならない。」
と考えを改めて
生徒との対話をすることにしたのだと。
2月に行なわれた立志会(卒業生を送る会)で
入江先生は一人の生徒とギターと木琴で
「マシュケナダ」を演奏した。
この生徒は18歳、フィリピンから来た。
双葉中では、外国人生徒の1年次は日本語教育を必須にしているが
最初は積極的でなくこのままでは来なくなるのではと心配した。
しかし立志会で演奏をすることになった時、
彼は小さい頃に地元のマーチングバンドにいたことを
入江先生は知ったのだ。
最初の練習はギターと大きいドラムの合奏だったが
「マシュケナダはドラムより木琴のほうが合う」と彼が提案した。
その後、学ぶほうでも積極的になり
立志会前の日本語の試験でも
いままでできなかったことが
出来るようになった。
この先生がいるから
学校へ通える、勉強できるし
何かあったら相談に乗ってもらえる。
こんなに頼れる存在がいることは
心強いものだろう。
入江先生はもっと多くの外国人に
この中学で学んでもらえるように
休日返上でチラシを配ったり
卒業生たちのつながりで
学びたい人を紹介してもらったりと
学校外でも積極的に行動している。
この思いがもっと葛飾区の人々(それ以外でも)に
知ってもらえばと願うばかりだ。
夜間学級 - 葛飾区立双葉中学校 (katsushika.ed.jp)
夜間中学・ネパール人の女の子の学びから - shiraike’s blog (hatenablog.com)