「皆さん、この街で生まれた素敵な成果をお知らせします。
ここ松戸に今年の春公立の夜間中学校ができました。」
「先生、この自主夜間中学はどうなるんですか。
僕ら行くところがなくなっちゃうんですか?」
「いや1人でも希望する人がいたら自主夜中は続けます。」
「公立の夜間中学が出来てよかったね。」
「35年かかりましたねぇ。」
「そうですねぇ ほんとにみんな諦めないでよくやりました。」
「400人のスタッフによる3000回もの授業。1600人以上の生徒。
35年間の取り組み。全国の心ある人たちが市や国を動かしたのです。」
5月12日に行われる東葛合唱団「はるかぜ」30周年記念コンサートの
音楽劇「虹色のえんぴつ」の中の先生と生徒の会話の一節から。
その待ち望んでいた松戸市立第一中学校みらい分校の
開校・入学式が16日に行われて、公立夜間中学の灯が
松戸市にやっとついたのだ。
「1~3学年に10~70代の22人が入学。」
「10代が6人で最も多く、外国人は中国人やブラジル人など9人。」
ささやかなスタートだが、これから先は学ぶことの喜びと学校生活を通じて
さまざまな出会いや交流などが広がってほしいと願うばかりだ。
この中学の講師陣には自主夜中のスタッフとして
先生役になっていた方も含まれていると以前の合唱(音楽劇)の練習
で聞いた。出来ればみらい分校と自主夜中と深い共同関係が
出来ればいいなあと思うのだが、それはどうなるかはまだわからないところだ。
18日の東京新聞朝刊の社説ではひらがなのルビ付きで
「じしゅやちゅう」。ここでは松戸と川口(埼玉)で新たに公立の夜間中学
が出来ただけではなく、相模原市や高知県でも新しくつくることを
決めたことや、静岡県では住民調査をしたら「できたら通いたい」の声が
多数あり、これから市町村などと相談してつくるのを決めると書いてあった。
公立夜間中学がさらに増えることは、改正入管法による外国人労働者の増加や
引きこもりの高齢化などによる「学べる場所は見つからない」人々にとって
救いになることが多い。しかし、法律ができても各自治体の動きは遅いままだ。
夜間中学の存在をもっと多くの日本人に知ってもらう必要がこれまで以上に
大切だと思う。