30日に見に行った日本アンデパンダン展(国立新美術館)のつづき。
日本美術会の主催で行われている美術展は
「時代の表現・生きる証」という副題があるが
政治的なニュースのみならず
意外な出会いがあった。
まずは「自クリエイト」というグループ単位の展示から。
なんとここに電撃ネットワークの
南部虎弾さんの追悼と遺作が展示されていたのだ。
(1月20日逝去)
生前会員になっていただいたということで
「彼はアーティストとして何点も絵をかかれていたそうです。」
驚きだ。知らなかった。
波の絵に本人がサーフボードに乗って
果敢にチャレンジ(波乗り)したというもの。
まさに体を張った「芸術」になっている。
笑うのも忘れるくらいだった。
自クリエイトでは北斎の絵を模写してオリジナルを加えた作品もあり
それぞれの自由を楽しんでいるかのようだった。
改めて虎弾さんに合掌。
そして会場を出口近くまで行ったところで
大きな油彩画。描かれたのはこの人だった。
志村けんさん。
寺島美代子さんの作品(会員・福島県)
志村さんが亡くなったのは2020年のこと。
コロナ肺炎にかかったがゆえに遺族が最後の面会が出来ず
葬儀ですらもニュースやワイドショーで放送されることもなかった。
そして4年経ったいまでも
お別れ会の予定が明らかにされないままだ。
命日になると志村さんのお墓を訪ねる人もいるそうだが
すっかり忘れられた存在になりつつある感じもする。
だからこそ、葬儀のようすを自ら想像して
絵にしたのかも。
私は志村けんを永遠に忘れない。
こういう形で伝えることも出来るんだ。
さらに入り口付近に見かけたのはこれだ。
「THE 9BOLLS 2023 3/10」
田上勝己さん(会員・東京都)
藤井惣太と阪神タイガース日本一と「アレ」
「やきゅうってすげぇ」とSHO-TIME。
まさに日本のニュースがこれらで全てを埋め尽くされた。
見事な作品だ。
でもこの9のボールのなかにイスラエルの旗のデザインのがあったり
「Oh Cheap」という言葉と日本列島の絵がかぶさったのがあったので
調べて見たら「安い!日本」というような意味で
円安にあえぐ庶民がヒーローたちの活躍に癒されて
怒りを忘れたかのような皮肉を表したのだろうか。
見れば見るほど興味深い。
(この項は明日以降も続きます。)