「ビジネスケアラー」という言葉も出来たのか!( #介護保険 #介護 #イチロウ )

かなり古い記事になったが、

7月16日の東京新聞朝刊「こちら特報部」。

認知症などの自宅介護を巡って

家族の負担が大きくなっている上に

介護保険の対象外の民間サービスを

もっと利用させようという動きを

国が起こしているということだ。


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いわゆる「団塊の世代」(1960年代生まれの人々)が

75歳以上になり、

それに伴って介護に携わる人材が不足する

「2025年問題」(物流の2024年問題と同じ)。

それが、働きながら介護をする

「ビジネスケアラー」ということに

誰もがなる可能性があるということになると。

ではどうすればいいのか。

記事では要介護3の母と夫との同居の女性(58歳)。

基本的には自宅で

療養通所介護や小規模多機能型居宅介護を利用しているが

早朝と寝た後しか仕事ができず(アロマセラピーサロンを運営)

収入が安定しなかったのと母がコロナになって看病が重くのしかかったことで

保険外でヘルパーを自分の条件でマッチングしてくれる会社に頼み

2時間7000円、週4回利用して

服薬や歯磨き、着替えの支援や、食事の介助などをしてもらっている。

そのおかげで仕事ができる時間が増えて収入が安定し

介護をする自分の気持ちなどに向かいあえるようになった。

しかし、将来を考えると夫がもしも母と同じようになったときに

同じサービスを利用することができるか。

仕事を続けて生活を安定させなければいけないが

介護を家族だけで出来るわけがない。


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2030年までにそのビジネスケアラーは

318万人に増え、そのうちの11万人が仕事を辞めざると得ない

状況になると言われているが

その結果が介護保険外の「サービス会社」に

頼らざるを得ないという選択のない「選択」になるのか。

しかし低所得者層(年収600万円未満)で

「利用したいと思う」は60%台、

1000万円の高収入層は75%台だから

見えない格差が介護にも出てくるのだ。

「大多数の介護者にとって、

 保険外サービスが介護保険に代わる支えにはなるまい。

 軽度者向けの訪問サービスなどを公的保険で使いやすくし、

 国民の応分負担を考えるのが現実的だ。」

立命館大の津止正敏教授のコメントより。)

私もその通りだと思う。

介護は急性症状の看護と違って、認知症の進行を緩やかにすることによって

介護を受ける人にとっての「理想の最期」または「クオリティー・オブ・ライフ」を

追求することが肝心になる。

それは本人だけでなく家族にとっても同じである。

しかし最近では介護保険の適用を

なるべく使わせない方向にしている感じだ。

津止氏はこうも語っている。

介護保険は介護を受ける人を軸に考え、

 働きながら介護する人の事情は考えていない。

 制度の理念に立ち返り、

 介護者の目線を介護保険に取り入れるか、

 介護者を支援する法的根拠をつくらなくてはならない。」

ちなみに8日に一周忌を迎えた安倍晋三元首相は

新・三本の矢で安心につながる社会保障のひとつとして

「介護離職ゼロ」を掲げていたというが

私もそんなことをすっかり忘れている。

それが形となって現れていたというと

実際は逆だからだろう。

国の税収が増えたのなら

介護離職ゼロになるような

高齢者福祉政策の見直しと

それこそ大胆な予算の増大をやってもらいたいのだが

なぜか軍事強化のほうに走っていますよね。

介護は破綻したら

「死ねばいいのに」で済むわけにはいかないでしょう。

これ以上の負担ができないから

頑張り過ぎる介護をやっている家族が

この日本では増えているのですよ。

こちらだって介護で出来ることを増やして

負担をなくしている最中ですよ。

ええ、どちらにしても

ビジネスケアラーになることから

逃げられそうには無いですから。

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