福島第一原発事故から12年目を迎える前に、
世論の動きが揺れている。
福島第一原発事故以降で初めて
「賛成」が「反対」を上回ったのだ。
しかしその一方では
日本世論調査会が3月4日にまとめた
運転期間を40年から60年超に延長することについて
「反対」が71%、
さらに脱炭素に向けて「原発の最大限活用」の方針には
「評価しない」が64%
開発。建設推進も
「反対」が60%と多数だった。
(東京新聞3月5日朝刊より。同会の会員でもある。)
さらに、今後の原発の利用については
「段階的に減らして将来的にはゼロ」が55%が最も多かったが、
「原発を一定数維持」と「積極的に活用」も、
合わせて41%と
ただし、日本人のほとんどが原発に依存しているのではないということも
この世論調査が明らかにしているようだ。
それが全世界的に報道されたことで、
原発への回帰にブレーキをかけたことも事実といえるのではないか。
さらに今年度中に実施されるといわれている
第一原発の汚染水(処理水)の海洋放出については
2022年の調査と比較して
「反対」が「賛成」を上回ったが、
「わからない」と回答した数が
前年度の32%から53%へと過半数に膨れ上がったのだ。
また、風評被害に対する回答も
「ある程度起きる」と「大きな風評被害が起きる」を合わせると
93%に上っている。
海洋放出に関しては長期的に見てわからないことも多いといわれている。
だから風評被害が避けられないのだが、
どこまでも国と東京電力は新たな「安全神話」をばら撒こうとしか
考えていないような気がする。
何より地元の漁業関係者からまったくの理解を得ていないままだ。
自前の施設でヒラメやアワビを飼育しているだけでは意味がない。
いっそ処理水と言い張る汚染水で本格的に養殖して
市販してみればいいのでは。
もっとも買う人はどれだけいるのかはわからないが
そこまでやらなければ風評被害を払拭させることは出来ないと思う。