熊本産「あさり」は産地偽装だった!?

きのうのTBSテレビ「報道特集」は

すごいスクープがあった。

matomedane.jp

国内の水揚げ量が年々減少しているはずの

あさりだが、スーパーに行くと

「熊本産」が多い。これはなぜか。

報道特集は独自の取材で

「熊本の干潟であさりの産地が変わる」

という情報を得て、張り込みをしたところ(2019年4月)

中国産のあさりを積んだコンテナを軽トラに積み替えて

干潟にばらまいて「畜養」させ、

その後にこの干潟からあさりを取り出して出荷する。

この行為は「違法」ではないが

いまではそれが当たり前になり

「国内の年間漁獲量が4400トンなのに

 熊本産が7000トンの出荷されている」

というおかしな現象を生んでしまった。

「中国産では売れないから。

 まともにやっているのが馬鹿馬鹿しくなる。」

そして、今年になってから

このやり方による脱税で逮捕し、有罪が確定した

業者の社長がこの「法の抜け穴」を告白する。

あさりの生育期間について

中国での期間を熊本の期間を下回るように

書類を「偽装」したのだという。

いまでは熊本で畜養せずそのまま出荷する

悪質な業者もいるのだと。

熊本での不漁が理由だというのだが

15年前から「必要悪」として当たり前のように受け入れたが

逮捕されてあさりから撤退したいまは

偽装をなくすための協議会を立ち上げたとのこと。

 

確かにこの偽装は許されないことだが

その背景には「反中嫌韓」の世論のムードと

食卓における魚離れの両方が重なったものでは

ないだろうかと思う。

あさりのみならず

海産物はその産地について厳格に

定められることは完全に出来ない。

それでも「○○産」と付けられるのは

漁業関係者と仲卸と流通業界が

互いの良心と信用があって成り立っているからだ。

そういえばNHKの「クローズアップ現代+」でも

焼津港でカツオが盗まれたという件を取り上げたが

あれも漁業協同組合と仲卸の人間が

「共謀」した事実があったからだ。

www3.nhk.or.jp

普段は魚といえば

高級なものとか旬なものとかは

やたら産地がどうの収穫や加工方法がどうのとか言ってる

人間が、いつも食べているものに関しては

無関心というか産地とかなんとかに

あまり知識を持たないことが多い。

だからゴマカシや法破りが簡単にできるというわけだ。

しかしこれは簡単に解消することは出来ない問題だ。

いちばんの策は

本来のモノの良さで見極めることが大事だと思うが

果たしてそのようなニッポン人は

いまどれだけいるのだろうか。

私も人のことが言える立場ではない。反省。

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