「ゴミこそが夢」と言えるまでに 1日のNHK「プロフェッショナル」より

食い入るように見てしまった。

これは私のいまやっている仕事と同じだが、

やっていることがはるかにその上をいく

未来へつながるものだった。

 

きのうのNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」は

横浜市の清掃会社で一般事業ゴミの収集員をしている

岳祐介さんに密着した。

深夜からの仕事。

車を止めるときは住宅へ騒音を出さないようにして

ゴミを持っていく時は

腕の力をつかって作業服を汚さないようにして

さらに体を回して周囲の人に当たらないように

気を配り、カラスにゴミ袋を荒らされた時は

業務の範囲外であるのにもかかわらず

丁寧に散乱したゴミをかき集めてきれいにする。

「自分の住んでいる街が汚れているのは

 悲しいじゃないですか。」

そして、コロナ禍では

収集で担当するお店が閉店することが多くなった。

さらに会社で担当している病院がクラスターになった。

普段は部下がやっている収集を自分でやることを決めた。

「彼にも家庭がいるし、感染したら大変だから。」

岳さんも2児の父親だ。

なぜここまで責任を感じて仕事をするのか。

 

「ゴミこそが夢」

 

岳さんは1986年生まれで私より一世代下で

10代は荒れた日々を過ごしていた。

今の奥さんとの出会いがきっかけで

定職に就くために23歳で収集員に。

「ゴミを積むだけ、楽勝だと思った。」

しかし時間、体力ともに過酷で

そして「臭せぇ」という声。

お金のために働き続けても

自分はこの仕事を続けていいのだろうかという

悩みとトラウマを抱えてしまった。

しかしある夏の日、いつも収集するポリバケツの上に

冷たい飲み物と感謝の手紙が置いてあった。

そこから岳さんは

仕事に対する考え方を変えることが出来たと。

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(収集車での乗り降りの往復は一日で400回を超え、作業服のズボンは

 あっという間に擦り切れてしまう。)

ゴミ収集に行くと

分別がまったく出来ていない袋が置いてあったり

そのまま店がなくなっていたこともある。

しかし岳さんは、決して怒らず焦らず、

そして逃げずに置いた相手と

会って話をする方法を探し続ける。

その結果、コロナ禍で収入源が減って

商売替えしたら慣れない仕事で

ゴミの分別がわからなくて

疎かになったり

指定のゴミ袋に入れられないという理由がわかった。

岳さんはそこで相手側と分別に関する理解を深めて

良い方向にもっていく。

それが自分の仕事を高めて

意欲をさらに前向きにしていく。

ゴミの収集が

そのまま自分の街を明るくしていく

「夢」へとつながる。

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私も職場でゴミの回収と分別の仕事をしている。

時間と体力の闘いである。

時には自分の思い通りにいかないことで

やけっぱちになったり心が荒れる。

でも、やった後にゴミ置き場がキレイになれば

そこに喜びが生まれるし

回収したゴミがリサイクルされれば

そこから「夢」も生まれる。

でも岳さんの思いには

かなわない。

私はまだまだだなと、そう思った。

 

岳さんの仕事は街にとって

縁の下の力持ちであり、

なくてはならない存在だ。

しかしそれが普通の間隔では

顧みられないことが多い。

でも、いつかゴミ収集員が

「かっこいい」といわれるかもしれない、

それを夢見て

こつこつときょうも作業を続けるだろう。

 

私も無理しない範囲で前向きに、

また新しい力をもらった。

プロフェッショナル 仕事の流儀 - NHK

ゴミ収集の皆様に感謝を! - shiraike’s blog (hatenablog.com)