#千葉県 多様性が尊重されて誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例って知ってる?


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きのうの午後、松戸市民会館の101会議室で

建国記念の日反対2・11東葛集会に参加した。

テーマは今年の1月1日に施行された

「千葉県多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例」。

和光大学教授でNPO法人女性と子どものスペース・ニコ代表の

船橋邦子さんの講演を聞いてきたが

堂本暁子知事時代の2002年(平成14年)に、

女性県議が増えたこともあって

男女共同参画条例を推進する議員同盟が出来たことで

千葉県が原案を提出するも、継続審査になって採決されず、

翌年に原案に対抗する自民党案が出されて

これに知事が反対したことからどちらも廃案になり、

森田健作知事(本名・鈴木栄治、2021年まで)時代は

まったくその案が県から出されることがなかった。

このため千葉県だけが唯一

男女共同参画基本条例(名前が別だが似た内容も含めて)が

存在しない都道府県になった。

知事が熊谷俊人になってやっと

SDGsやジェンダーフリーの関心があったことで

多様性を尊重する条例を図りたいと

2023年(令和5年)2月議会で表明したが

自民党や無所属(維新系の田沼隆志)県議から

国で成立したLGBT理解推進法を持ち出して

「伝統的な日本文化や家族の在り方」をぶち壊すものだと

反対する意見が続出した。

10月にパブリックコメントを募集して

669件の意見を得たが

「賛成」「反対」のどちらが多かったが

明らかにされなかった。

そして同年の7月25日の読売新聞東葛版で

県の条例案は「差別禁止や罰則規定なし」。

その理由は

「誰もが活躍できる県づくりの理念を固める」一方で

「社会の混乱につながらないように留意する」ということで

資料を見たら、

実に薄っぺらい「理念法」的な条例案に出来上がったのだ。

それでも自民党会派の県議から採決の時に席を立った人間が

けっこういたのだ。

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同会派が採決に拘束をかけなかったからだ。

長くなったが船橋さんはこの条例について

①あらゆる差別はどのように生み出されるのかが

 わかっていないからこういう不十分な条例が出来た。

②差別と区別と一緒にするなという意見(特に自民党ネトウヨ)が

 あるが、性差や生まれつきの障害や肌や目の色など

 生まれつきからの如何ともし難い事実に

 「区別の線引き」をすることが差別なのだ。

③差別は無知から生まれるのに

 千葉県はこの条例が施行後に

 男女共同参画課を「多様性社会推進課」に再編して

 その下に「男女共同参画室」をつくり

 男女共同参画推進懇話会(意見・助言等)を外部につくるが

 国の法律に基づいて行政行為かつ関連業務をやるだけで

 これでは男女差別を主体的に解消されるわけがない。

比較資料として、山梨県多様性を認めあう共生社会づくり条例が

挟まれていたが、こちらは憲法の精神を尊重した上で

「差別的取り扱いの禁止」を条文に定めて(第三条)

その後に県・県民・事業者・教育に携わる者などの責任を明確に

定められている。

山梨県自民党系の知事である。

いまの千葉県の知事は一応、旧民主党千葉市議から千葉市長を経て)だ。

なのになんでこうも内容が違うのか?

ただこういうことは

すべての千葉県民が強い関心を持たないと

大きな問題にならないのだ。

むしろ「男女共同参画」や「差別禁止」

ジェンダー」という言葉をなくしたことで

条例そのものを骨抜きにした

自民党県議団の作戦勝ちといえるが

これからは、この条例を活かして

どのように差別を許さない千葉県をつくっていくか、

それとも条例をもっと良い方向に改正させるか、

県民に突き付けられた課題は大きいのだ。

それば一番よくわかったことだ。

考えなければならない本当の課題について

次回のブログで書きたい。

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