もう「誘拐報道」の時代ではない

黒田さん。日本は本当におかしな国になりました。

きのう、BS日テレが映画「誘拐報道」を放送しました。

黒田さんが社会部長だった頃に

読売新聞大阪本社30周年を記念して

この企画を立ち上げたものですが、

いまはもう誘拐犯人そのものが

存在しない時代になりました。

 

この国は確かに豊かな国になりました。

しかし、いまはその豊かさは

上っ面だけになってしまいました。

表向きには体面だけ着飾って

未来志向だといってる人間は

常に弱肉強食のもとに

敗者が人間扱いされなくなるのが

当たり前になり、その虐げられた者さえが

いまの国家社会が生み出した理不尽に対して

声を挙げられず「悪いのは自分だ」と思い込み

それを許容することが、ついに

内閣総理大臣が殺害される事態にまで発展したのです。

しかもその容疑者は

統一教会に母親が洗脳されて、いつも金の無心に

苦しめられその元首相がその連中がつくった

動画で演説していたことに怒りが止められなかったと

供述したのです。

 

黒田さん、私がこの文章を綴る理由は

自分の住む街で、7歳の小学生の女の子が

近くの公園に行く途中で行方不明になり

その2週間後に遺体となって発見されたのです。

これが事件だとしたら、

なぜ犯人はいきなり連れ去って

キックボードはまだしも

靴と靴下だけを脱がせてその地点に

丁寧に置いたのか。

私にはわかりません。

子どもを犠牲にする事件はいまも昔も

後を絶ちません。

でも、その動機がよりわからなくなっています。

いったいこの悪を断つために

なにが大切なのでしょうか。

 

黒田清 元読売新聞社会部長、編集局次長

黒田ジャーナル社長

ジャーナリスト

新聞記者として事件報道において

数々のスクープをとるとともに

戦争報道や「同和・部落」問題まで記者としての仕事を

拡げ、阪神淡路大震災にも厳しくも

被災者への優しい眼差しを向けた。

記者は読者と向かいあうべきとの理念で

「窓」のコーナーをつくり

それが読売新聞退社後に

「窓友会」に発展し

「新聞うずみ火」が発刊されるきっかけになった。

私は「窓友会」からのお付き合いが

黒田さん亡きあとも続いている。

 

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