「ええっと、私事になるのですが、
数年前、アジアのある国に行った時の話です(ちょっと長いですが、読んでくださると嬉しいです)
薄暗い宿のリビング。テレビでチャップリンを眺めながらコーヒーを飲んでいたら、向かいに座ったご年配の女性が「日本人か?」と聞いてきました。「はい、そうです。初めまして」挨拶すると、おばさんは一見笑顔なんだけども全然笑っていない目をクワっと見開き、昔、叔父さんが日本兵に殺されたんだと話し始めました。砂浜に並べ!と言われて、順番に銃で撃たれたんだ、と。声のトーンは抑えていましたが、怒りは隠せません。おばさんの頭から湯気が立っているのが見えました。
正直、参ったな… と思いました。
日本が戦中にアジア各国で酷いことをしたのは知っていましたが、実際にその被害者のご遺族からそんな話を聞かされるとは。それに、そんなこと私に言われても困るよ… その時はそう思ったんです。
その女性は続けて言いました。
アベは金をアジア各国にばら撒いて、何かあれば日本を守れ!と言う。ふざけんな!!!
そして、はっきり言いました。
「ABEに気を付けろ💢」
おばさん、殺気立っていましたよ。
まさか旅先で、安倍の名前を聞くなんて(その当時の首相は安倍晋三でした)
歴史とは、政治とは、と本当に考えさせられた一件でした。私たちは重たい罪と責任を背負っているのだと思いました。例えそれが過去のことでも。自分がやったことではなくても。自分は安倍晋三を一度も選んでいなくても。
日本に酷い目に遭わされたアジア各国の人々のために日本は一番に何をすべきでしょうか。
彼らの気持ちを思えば、そんなの分かりきったことではないですか。
恐らくもう二度と会うことのないあのおばさんに「ごめんなさい」と謝れなかったことが悔やまれます。
あの時、私、怖かったんです。そして、その場から逃げたかった。
もし奇跡的に再会することがあれば、次も言われるだろう。今度は、
「KISHIDAに気を付けろ💢」
おばさんは平和を心から望んでいるから、そう言ったんですよね。そして、日本がまたあの危険な国に戻ろうとしていることを強く感じていたんですよね。
おばさんは きっと日本人である私にそれを伝えたいから、どうにかしてほしいから、わざわざ声を掛けてきたんですよね。
時々、あの旅先の、ほんの10分程度のやり取りを思い出します。
海外に行った先で
先の戦争で悲惨な体験をした人の声を聞くことは
もはや貴重になってきたが
さらに安倍晋三がやったことのナマの声を聞くことも
そうはないだろう。
再びその女性に再会したら
「KISHIDAには気を付けろ」と
言葉を交わせることが出来たら
そうなってほしい。
アジアのどこかの国で。」
いまの日本は
中国や北朝鮮を取り囲むしか
頭がないようだが
それがアメリカの我欲に基づくことであり
国益に反することになることを
いつになったら気がつくのか。