佐渡金山の「世界遺産」推薦問題に思うこと(?)

新潟県佐渡島にある

金山の歴史遺構(遺跡)について

世界遺産の推薦をいったんは政府が見送るとしたが、

一転してやっぱり推薦するということになった。

要するに安倍晋三が「やれ!」といったから

こうなったというわけだが、

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8日発売の日刊ゲンダイ

立岩陽一郎さんの連載コラムより。

NHKテレビが放送する予算委員会(総理が出席する)以外にも

国会では各種委員会で質疑や審議などが行われており、

それに関して新聞やテレビなどの報道がないことは

選挙などで民意を示すことで問題になっていないかと

疑問を投げかけているが、

その中に3日の予算委員会

共産党の宮本徹議員が佐渡金山での

朝鮮人の労働について

「名称こそ『募集』『官斡旋』『徴用』と変化するものの、

 朝鮮人を強制的に連行した事実においては同質だった。」

とする新潟県のまとめた歴史を示したというのだ。

世界遺産に推薦するならばこうした負の歴史も

示すべきではないかと末松信介文科相に問いただしたが

「さまざまな議論、そして意見があることは承知しております。」

と答えただけ。

林芳正外相は

「関係国(韓国)と冷静かつ丁寧な議論を行っていく」と述べて

その場をやり過ごしている。

webronza.asahi.com

ところが、この上のサイトでは

安倍晋三

「当時の労働環境をまとめた資料『佐渡鉱山史』(大平鉱業佐渡鉱業所)や、

 佐渡鉱業所『半島労務管理ニ付テ』などには、

 『日本人と朝鮮人労働者はおおむね同一の賃金で、複数回の賞与が支払われた』

 『無料の社宅や寮があり、米やみそやしょうゆの廉価販売があった』

 『運動会や映画鑑賞会など、娯楽機会の提供があった』などと

 記されているという。これでは、『強制労働』とはいえない。」

「ここまで来れば、

 新潟と日本の誇りと名誉を守るためにも、

 正々堂々とファクト(事実)ベースで反論して、

 ユネスコ世界遺産委員会の了解を得ていくしかない。

 リングに上がる前にタオルを投げてはダメだ。」

とのたまわったという。

政府が推薦した理由もこれがベースになっているのにも関わらず

国会の予算委員会で閣僚が大ウソ発言をしたというわけだ。

そうでなければ安倍のほうが

フェイクニュースを垂れ流したということになる。

 

もっともこんな理由で推薦するのしないのは

とても見苦しいとしか思えないし

普通の人から見れば

「なんで佐渡金山が世界遺産になるの?」という意味が

わからないのではないか。

推薦する側の理由として

17世紀の江戸時代から20世紀に至るまで

鉱山としての長い歴史と発展があったからとしているが、

私たちのイメージからすれば

島流し」の地としての佐渡島があって

幕府の天領として罪人がここで働かされていたという連想が

時代劇を見てそう感じることが多い。

また佐渡といえば「おけさ節」「鬼太鼓(おんでこ)」

そして永六輔さんが高く評価していた

鼓童」もあるが、

やはり金山の存在を次の歴史に語り継ぎたいことと

観光遺産をして今後も生かしたいということか。

 

ならばすべての歴史を残すことが重要であり

一方的に「日本の言ってることが正しい」という

押し付けはやめるべきだ。

それとも「島流し」ならいいけど

「強制連行」はダメだというのか?

新潟県が強制連行の事実を史料で残していることを

安倍晋三がタスクフォースとか歴史戦とかいって

「改ざん」させることを許せば

誰も、というよりどの国も

推薦することはないと思うが、どうだろうか?

www.sado-kinzan.com