7月25日、柏のキネマ旬報シアター。
朝9時から午後12時45分まで
休憩をはさんで見続けた約3時間半。
それでも長くは感じなかった。
満若勇咲監督の映画「私のはなし 部落のはなし」だ。
この映画の大半は部落問題で差別を受けている「はず」の
当事者同士の「対話」が大半を占めている。
しかしその話の内容に「差別」は全く強調されてはいない。
ただ「部落に生まれてそこで育った」ことを
自分なりに「こんな感じ」として話をしている。
すなわち「日常感」を映像にしている。
歴史的根拠がないのになぜか「部落」になった地区。
ずっと「部落」だったが公立大学の移転地になって
住民が立ち退きになった地区、
「部落」とはまた違った形で地域おこしを進めても
人権センターで同窓会があることに「コワイ」と言われてしまう地区。
それぞれの地区の過去・現在・未来の歴史と
そこに生きる人たちの物語には
イデオロギーや特定の思想は入らず
「時間」の経過のみを丁寧に描いている。
そしてヘイトをまき散らす「鳥取ループ」の首謀者がなぜ
部落に興味を示したこと言うと
小学校の頃の「同和教育」だったこと。
そしてなぜ「部落」から「同和地区」と
名称が歴史とともに変わっていったのか、
専門家の解説でしっかりと知識をつけられる。
監督も2007年に同じテーマの映画を作りながらも
部落解放同盟から映画公開を止められた。その理由も
この映画のなかでしっかりと説明されていた。
正直言ってこれはもう
多くの日本人に見てほしい。
なぜならば、これからも部落差別はなくならないと考える人が
潜在的に多いと思うしこの映画でもそこをちゃんと取り上げる。
だからこそ丸ごと見つめて
「学びほぐす」ことが一番の解決法になるからだ。
もちろん、
「そんなに興味ないし、そもそも差別しないことで
いいんじゃね?」という人もいるかもしれない。
その人にも肩がこらない内容になっている。
ドキュメンタリーが苦手な人でも大丈夫ですよ。
本当に!