森口豁さんの「命かじり」の付け足し

きのうは日比谷から銀座までの

沖縄復帰50年を問う集会とデモ行進に参加したが

14日に見た映画「命(ぬち)かじり」の

パンフレットにあった文章を

残して置きたい。


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まずは森口豁さんの

「踏みつけられた〈小の虫〉」から。

 

〈大の虫〉を生かすためなら

〈小の虫〉は死んでも構わない。

沖縄と日本本土の関係を言い表すことばの一つに

こんな言い方があります。

長い歴史のなかで、〈小の虫〉沖縄の人たちは

少数者であるがゆえに過度な体験を

幾度となく強いられてきました。

そのベスト3が沖縄戦と、その後27年間

続いた米軍支配、そして今年50年目を迎える

「ヤマト世(ユー)」下における過重な基地

押し付けです。

沖縄戦は米軍の本土上陸を遅らせるための

時間稼ぎ。異民族支配は日本の独立のための

アメリカへの貢ぎ物。過重な基地は

日米軍事同盟のためというわけです。

「復帰50年」を前に共同通信が行った世論調査では、

79%の人が「沖縄の荷重な基地負担は他の都道府県に比べ不平等」と答えています。

ところが、では「基地を自分の住む地域に引き取る意思があるか」を問うと、

なんと69%が反対だというのです。

私たち本土に住むヤマトンチュの心の中に

〈大の虫〉ゆえの奢りや差別意識

根付いているからでしょう。

この「自覚なき差別意識」に真正面から

向きあわない限り、

次の一歩には近付けないと思うのですが、

果たしてどうなんでしょうか。

 

ここからは私の意見。

いまはウクライナ情勢の悪化で

日米安保体制の強化が国民世論の多数を占めているが、

その負担の大半を沖縄が背負っていることはあまり知られていないと思う。

沖縄の基地に関する報道を、

本土側が大きく取り上げないというのがあるが

このマスメディアのやり方が

「自覚なき差別意識」を自然に

増大させていると思うし、

その反対の立場にいるのが

森口豁のジャーナリズムではないのかと。

だからこそ、

沖縄は米軍が守っているという

誤った認識を改めるために

事実に向かい合うことと多くのヤマトンチュに

基地問題にどうやって関心を持ってもらえるかを

考えるしかない。

 

最後に監督の永田浩三さんの

「森口さんが愛する沖縄の人たち」から引用して、

上映した作品は編集途上のもので

高校時代から森口さんと「兄弟以上の付き合い」があった

ウルトラマンシリーズの脚本家、金城哲夫さんのことや

国会正門にバイクで激突死したウチナンチュのことなどに

加えて沖縄戦で一家が全滅した摩文仁の丘の一帯や

コザ騒動の現場などが加わる予定で

悪性リンパ腫の闘病が続きながらも

さらに取材を重ねる森口さんを

追いかけていく。

 

「沖縄を見つめるジャーナリストで、

森口さんの教えを受けていない人はいません。

そのネットワークはまさに学校のようで

わたしはその劣等生のひてりです。」と

永田さんは記しているが

森口さんの仕事に引き付けられた人たちは

みんな沖縄を心から愛している。

それが映像から確実に伝わった。

終了後、多くの拍手があったのが

その証拠だ、続篇も見たい、

森口さん、どうか体調にはお気をつけて!


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