明日のハナコよ!君は悪くない!(中日・東京新聞の社説より)

あの「明日のハナコ」騒動は

大手紙やテレビとラジオは依然として

電気事業連合会の静かな圧力によって

報道されないままだが、

(朝日もベタ記事程度しか伝えず、

 しかも福井農林高の顧問教諭は

 あの記事は生徒に取材していないとデマをかまし

 演劇部の生徒にも圧力をかけて黙らせていると

 週刊金曜日の2月18日号が伝えていた。)

2月20日発売の東京新聞の社説は

この問題をしっかりと俎上に上げた。

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前半はすでにネット署名などで、

脚本を手掛けた玉村徹氏と

処分のあり方に異を唱えた劇作家の鈴江俊郎氏の意見と経緯を

振り返っているが

shiraike.hatenablog.com

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この社説でも

「玉村さんらは、非公開の措置が取られた一因として、

 県高校文化連盟が日本原子力発電(原電)の支援を

 受けているためだと指摘しています。

 当初、そう明かした顧問の先生もいた、と

 玉村さんは主張しています。もしそうであれば、

 この問題の本質は、差別の問題に名を借りた

 原発批判の封じ込めともなりかねません。」

で、福井県内の文化団体の編集委員が、

関連する会議の記録などを公開するよう、

県側に情報公開を請求したら、

なんと

「随所が黒塗りされ、詳しい内容は不明です。

 実行委は、その資料もネットで公開しました。

 未来を担う若者を育てる教育の世界で

 こんな『情報隠し』とも取られかねない旧態依然の対応が

 まかり通るとは‥‥日本の将来を危うくするのでは

 ないかと懸念します。」と書いた上で

あの小林多喜二の命日も2月20日であると示した上で

「演劇部員たちと、まるで悪者扱いされた『ハナコ』には、

 この欄から声援を送りたいと思います。

 君たちは何も悪くないんだよと。

 演劇を通じて得たことや、

 また今回の出来事で学んだことを部員たちが前向きに生かして、

 自身の将来と、この国の明日をより良いものにしていくよう、

 祈ります。」と結んでいる。

しかし、その前途は厳しい。

圧力を加えたことに対して

県高校文化連盟と福井ケーブルテレビは

玉村さんや当時の福井農林高演劇部の部員や関係者に対する

「謝罪」を行っていない。

しかも差別用語を戯曲の台本に使うことに対して

地歴・公民の教師を講師に迎えて講演会をするとか

演劇部の部員に玉村さんと鈴江さんが主催する

昨年12月の自主公演会に行かせないようにしたと

いう許されない事実も明らかになった。

週刊金曜日の2月18日号より)

www.fukuishimbun.co.jp

もっと大人が言論・表現・思想の自由とは何かについて

考え行動しない限り

子どもたちを護ることができない。

そう痛感させられる騒動である。

 

(付け足し)

この下書きをまとめてから半月後に

ロシア軍がウクライナを侵攻し、

チェルノブイリ原発を占拠し

他の原発にも攻撃を加えた。

これは「明日のハナコ」の結末を超えた

シャレにならない物語である。

そして日本では原発どころか

「核保有はしないが核武装について議論をすべきだ」という

ハチャメチャな言論が世論と民意に拡大されている。

まさに「事実は小説より奇なり」だ。

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