福井のハナコさんはテレビはNG!

高校生の演劇でとんでもない

ニュース、というより

ネットによる署名のお願いがやってきた。

f:id:shiraike:20211120010425j:plain

(19日付東京新聞特報面「本音のコラム」より)

「――「ハナコ」にもう一度会いたい!――

 「ハナコ」というのは、『明日のハナコ』という劇の主人公の名前です。

 この劇は今年9月の福井県高校演劇祭で、

 福井農林高校演劇部によって上演されましたが、

 その後、映像を残すことも、脚本を読むことも禁止され、

 マボロシの舞台にされてしまいました。

 いったいなぜ、『ハナコ』は禁止されたのでしょうか。」

キャンペーン · 福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで!顧問会議は『明日のハナコ』の排除を撤回してください。 · Change.org

この劇は、なんと

9月におこなわれた

県の高校演劇祭で発表、公開されたのにもかかわらず

地元のケーブルテレビでの放送、DVDでの保存、

それどころか

脚本集の回収まで実行委員会の手で行われ

この劇そのものを

なかったことにされてしまったのだった。

上の写真にある通り、

ジャーナリズムの北丸雄二さんは

その脚本を入手して読み

「すごぶる面白い」と評したが

要するに、

「1 この劇には、反原発・個人名・差別用語が含まれている。

   放送後、それらを取り上げられて、

   生徒や福井農林高校に非難が寄せられることを憂慮する。

   学校は教育的に生徒を 守らなければならないから。

 2 福井農林高校の劇は、

   表現方法はともかく、上演に問題はないと思う。

   ただ、不特定多数の人目に触れる放送はいかがなものかと思う。

 3 高文連は原電からの支援を受けている。

   また、ケーブルテレビも原電と関係のある企業が

   スポンサーになっているかもしれない。

   これからもケーブルテレビと良好な関係を保ちたい。

   放映すると影響がでる。」

まさにトンデモない言いがかりだが、

実行委員会はちゃんと反論をしている。

 

「1」について、

 まず差別用語は、劇を見てもらえばわかりますが、

 差別意識を持った取り上げ方はしていません。

 個人名についても、図書館にある書籍をそのまま引用したものです。

 反原発については、たとえば「原発からの支援を受けている」という意見には、

 こう反論したいのです。

 補助金は、活動の思想的方向や表現内容についてなんら干渉するものではないし、

 これまでも干渉した例はないはずです。

 そういう性質の支援であるからこそ、

 公的な組織が(高文連は県の組織です)は公明正大に受け取ることができるのです。

 もしも干渉があって、

 内容を規制しなければならないようなものであれば、

 それも意見の一方を否定するようなものであれば、

 そのような助成を受け取っている県が裁かれる事態になってしまうし、

 即刻県はその助成を返上すべきだというのが、

 行政上の通念だと思われます。

 したがって、「3」の理由がまかりとおれば、

 これ以降、福井では原子力発電の危険性を訴えるような劇を

 作れないことになります。

 表現してはいけない分野を生んでしまうことになります。

 また、原発に関係する内容次第では社内で審議にかかるなどと、

 排除する可能性も示すのがケーブルテレビなら、

 むしろ結果的に表現の自由を制約することになる

 そうしたケーブルテレビの姿勢こそ、問われるべきです。

 そう主張して生徒を守るのが教員の仕事じゃないでしょうか。

 

しかし県高校演劇連盟(高文連)の顧問会議では

原発は問題はないが、差別用語を使っただけでも

「アウト」だとして上記の「排除」を正当だとして

これはスクールロイヤー(顧問弁護士)の見解に

基づくものだという意見も添えられたのだと。

(長くなったので続きます。)

「明日のハナコ」上演実行委員会 (wixsite.com)