コロナウイルス禍でも休めない労働者からの「訴え」(3)

(きのうのつづき)

 

【建設職人の現場】

田中浩昭さん(千葉土建市川支部)の報告。

 

千葉土建の事務所には連日、

「今月は2日しか働けていない。もう廃業するしかない」

「先が不安で眠れなくなった」

「従業員に給料が払えるか心配」など

切実な声や相談が組合員から数多く寄せられている。

 

新型コロナへの支援策は、

国は「持続化給付金(最高200万円)」、

雇用調整助成金(一人最高15000円)」、

千葉県は「中小企業再建支援金(最高40万円)」、

市川市は「事業者緊急支援事業臨時給付金(最高20万円)」、

浦安市は「中小企業者等事業継続給付金(10万円)」などの

制度があり、

売上が50%以上減少したり、

感染拡大への取り組みをした事業者が申請できるが、

情報が行き渡らず、

知らないまま不安でいる仲間も多くいる。

 

分会役員を中心に、電話やメールを活用した

心丈夫(こころじょうぶ)活動に挑戦した。

(心丈夫とは頼りになる物や人があって安心できるさま。心強いさま。)

組合員に「元気にしてる?」「仕事はどう?」

「何か困ってることはない」と言葉を掛けると

「もう20日も現場が止まってる」

「保育士の家族が自宅待機になった」

などと様々な声が返ってくる。

「給付金があるから申請できる!お互いがんばろうね」と

励まし合い、不安を軽減させることもできた。

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建築の現場も

あの自粛期間中は

すべての動きが止まっていたような気がする。

6月も末になってから

やっとその動きが再開されたようだが

その間の損失は決して小さくないはずだ。

あの持続化給付金では

政府や自民党に近い大手広告代理店が

新たな法人を立ち上げて、

給付に関する業務を入札で委託させ、

そこから「中抜き」で

補助金をかすめ取ったことが

国会でも大きな問題になった。

その一方で

申請が出来ることを知らない職人たちもいる。

こんな矛盾も見えないところであるのだ。

困っているのは旅行業界だけではない。

ものづくりを支える人たちも

早く、確実で持続的な支援を求めているのだ。

この声も無視してはいけない。

(この記事は「市川浦安労連」64号に掲載されたものを

 革新懇話会市川が転載したものです。この項終わり)

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