(きのうのつづき)
【建設職人の現場】
田中浩昭さん(千葉土建市川支部)の報告。
千葉土建の事務所には連日、
「今月は2日しか働けていない。もう廃業するしかない」
「先が不安で眠れなくなった」
「従業員に給料が払えるか心配」など
切実な声や相談が組合員から数多く寄せられている。
新型コロナへの支援策は、
国は「持続化給付金(最高200万円)」、
「雇用調整助成金(一人最高15000円)」、
千葉県は「中小企業再建支援金(最高40万円)」、
市川市は「事業者緊急支援事業臨時給付金(最高20万円)」、
浦安市は「中小企業者等事業継続給付金(10万円)」などの
制度があり、
売上が50%以上減少したり、
感染拡大への取り組みをした事業者が申請できるが、
情報が行き渡らず、
知らないまま不安でいる仲間も多くいる。
分会役員を中心に、電話やメールを活用した
心丈夫(こころじょうぶ)活動に挑戦した。
(心丈夫とは頼りになる物や人があって安心できるさま。心強いさま。)
組合員に「元気にしてる?」「仕事はどう?」
「何か困ってることはない」と言葉を掛けると
「もう20日も現場が止まってる」
「保育士の家族が自宅待機になった」
などと様々な声が返ってくる。
「給付金があるから申請できる!お互いがんばろうね」と
励まし合い、不安を軽減させることもできた。
建築の現場も
あの自粛期間中は
すべての動きが止まっていたような気がする。
6月も末になってから
やっとその動きが再開されたようだが
その間の損失は決して小さくないはずだ。
あの持続化給付金では
政府や自民党に近い大手広告代理店が
新たな法人を立ち上げて、
給付に関する業務を入札で委託させ、
そこから「中抜き」で
補助金をかすめ取ったことが
国会でも大きな問題になった。
その一方で
申請が出来ることを知らない職人たちもいる。
こんな矛盾も見えないところであるのだ。
困っているのは旅行業界だけではない。
ものづくりを支える人たちも
早く、確実で持続的な支援を求めているのだ。
この声も無視してはいけない。
(この記事は「市川浦安労連」64号に掲載されたものを
革新懇話会市川が転載したものです。この項終わり)