昨年７月の参院選で
安倍首相に対して「やめろ」「増税反対」と
言っただけで警察官に取り囲まれて
遠くのほうに排除されたということが
北海道などでたくさん起きた。
先日早朝（２日深夜）に放送された
JNNドキュメンタリー
「ザ・フォーカス」は
札幌駅前で街頭演説があった時の
ヤジ排除について
地元局の北海道放送の取材と制作で
クローズアップしていた。
生活困窮者を支援する立場から
声をあげた大杉雅栄さんの場合は街宣車から
２０mから離れたところにもかかわらず
２人の私服警官に連れかかられたでけでなく
周りには２１人の警官に取り囲まれたことが
友人たちの撮影によって記録されていた。
それから５分たった後
３０m離れたところでも
一人の大学生が声をあげた。
この大学生の場合は複数の警官によって羽交い絞め
されたあげく、本人が立ち去ろうとしても
しつこくそばについてきて
自宅までついてくるのではないかという
恐怖感まで覚えたという。
またその時に
腕まで掴まれた行為も
本人の撮影で記録されていた。
（元北海道警察警視長の原田宏二さん）
犯罪行為をしていないのに
排除をしたり、逮捕まがいの行為をすること自体
普段の警察なら考えられないことだが、
向こうの言い分は
（聴衆がこれを聞き取ることを不可能または困難ならしめるような所為）と
警察官職務執行法第５条（犯罪の予防と制止）
によるものとされているが
これでは「ヤジ」そのものがどの犯罪に抵触するのか
がわからないこと。
まして、その「ヤジ」が演説が困難
または中断に追い込まれるほどのひどさだったのかというと
まったくそれを
映像から感じなかった。
を番組の取材で言っていたが。）
なぜここまで警察がやるのか。
理由は明らかだ。
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
と反論して批判を浴びた２０１７年の都議選の
悪夢（安倍首相にとっての）があったからなのだ。
しかしこれは
いち政治家の私的感情によって
言論・表現の自由を脅かし
それを萎縮させる行為であることは
間違いないことだ。
北海道警察本部はいまだに
事の経緯について詳しい説明を行っていない。
大杉さんは昨年１２月に自分を排除した警察官７人を
刑事告訴した。
「道警のやることはひとつしか
ないんですよ。
あれが違法行為だったということと
排除をして被害を与えた
苦痛を与えた人達に
すみませんでした。
道警のやり方が間違ってましたと
いうことを言うしかないんです。」
（前述の原田宏二さん）
最近ではSNSなどで
「演説妨害をするなら自分で立候補すればよい」という
ふざけた書き込みをする輩が多いが、
元首相・吉田茂は
演説中に「その羽織っている外套（コート）を脱げ！」
とやじられたことがある。
しかし吉田茂は
「これが本当の外套（街頭）演説です。」
と言って聴衆をみんな笑わせていたという事実がある。
吉田茂よりも長く首相をやっているのなら
ユーモアで交わして周りを明るくさせる
余裕があって然りだが
安倍晋三は全く逆の選択をしてしまった。
このような人物に日本をまかせることはできない。
吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結後に
日米安保条約を結んだ時は
自分だけでこの締結の場に臨んで
署名をしたのだ。
これがあるからこそ安保６０年で大喜びしていられるのだが、
安倍晋三は記念式典で
自分のおじいちゃんのことしか
話をしなかったのだから呆れてものが言えない。
公安警察を使って異論を封じ込めるのは
ある意味必然ということか。
（大通公園近くで演説をした安倍首相にプラカードを掲げた女性は
そばに警察官が近寄って隠されるように排除されたが
「安倍総理を支持します」のプラカードや横断幕を排除しなかった。）
