これも忘れられている「森友疑惑」犠牲者赤木さんへの佐川氏賠償責任は法廷で「否定」

みなさんすっかりこれも

忘れていることでしょう。

森友学園へ国有地購入を巡って

その購入価格を約8億円安く引き下げた(2017年)どころか

同じ大阪府内の大学法人の申請を退けた件で

国会で野党の追及を受けた安倍晋三首相(当時)は

自分が関わっていたら首相どころか国会議員を辞めるという

啖呵を切ったその2日後に

当時の財務省理財局長だった佐川宣寿の指示によって

これらに関する公文書が改ざんされた。

その当事者で近畿理財局の職員だった

赤木俊夫氏が2018年(平成30年)3月に

自殺した。

あの指示の後に「うつ病」を患ったのが理由だった。

東京新聞26日朝刊社説より)

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未亡人である赤木雅子さんは

なぜ夫が自殺まで至るまでを知りたいと

2000日に渡って

財務省に対してこの「改ざん行為」に至る

すべてのプロセスの情報公開を請求したが

簡単に退けられた。

しかし、ジャーナリストの相澤冬樹氏らが

いわゆる「赤木ファイル」が同省に存在することを突き止め

雅子さんはその開示請求を求めて行政訴訟を起こし

やっとのことで開示されるも

肝心の部分が「黒塗り」にされていたのだ。

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雅子さんはこのファイルを見たあとに

佐川氏に当時の事実を知るために

民事訴訟を起こした。

すると国は前代未聞の「認諾」

すなわちすべての責任を認めて

裁判を強制的に終結させる手法を選択した。

そこで雅子さん側は佐川氏個人の「指示」に対する責任を

問う訴訟を起こしたが

25日の金曜日にそれらを退ける一審(東京地裁)判決が言い渡された。

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きのうのTBS報道特集によると

9月27日の安倍国葬にも

雅子さんは会場である日本武道館に足を運び

その時番組スタッフに献花台の前で

「夫のことを覚えていてくれる人はここにいるのだろうか。

 とそう思います。」

「(会場映像を見て安倍の)亡くなり方が

 あまりにもひどかったので

 私も献花したい気持ちはゼロではないし

 本当に見送りしたいという気持ちはありますけど

 しゃべらずに送られるということは

 (安倍)本人にとっても残念なことじゃないかと思います。」

きのうの生放送でも

「判決はある程度想像はしていましたけども

 (裁判所に)ばっさり切られたような判決文を読みました。

 夫はきっと私の隣にいたので

 一緒に聞いていたとは思いますが

 改めてあなたの思いがかなわなかったねという言葉をかけたのと

 私の力がまだ足りなかった、ごめんねと

 いう言葉を(自宅にある夫・俊夫氏の位牌に)かけました。」

「(裁判所に対して言いたいことはという金平成紀特任キャスターの質問に)

 司法の役割ということを私も考えさせられたんですけど

 裁判所の裁判官の方々も人間なので、

 やっぱり間違いはあると思います。

 私は何かしら判決文の中に夫にもう少し

 寄り添った(佐川の責任問題に)立ち向かってくれる判決文を

 書いて欲しかったと今でも思っています。」

実は銃撃事件の前日に雅子さんは

(自分の身近なところで)応援演説に来ること

直前に知って

いまの自分の気持ちをしたためた手紙を渡したら

「安倍さんは自分を応援してくれていると思って

 喜んでくださいました」と

雅子さんに気付かなかったそうだ。

未亡人のアキエには夫の墓前に手を合わせてほしいと

同じ不慮の事態で愛する人を亡くした身をして

そうしてほしいのだと。

また棄却後の控訴については

雅子さんはもし佐川が自宅に着て夫に手を合わせて

自分だけに真相を語ってくれればと思いずいぶん悩んだが

公務員としてだれの指示を受けたのが知りたいからこそ

控訴することを決断したのだと。

安倍に最後に会ったときに

グータッチを交わした時に

その手の温かさを感じたが

あの日の判決にぬくもりはなかった。

行政や司法がやったことは

すべて誤りだとした上で

「夫がいつも言葉にしていたのが

 自分はいずれ社会貢献をいずれするんだと

 (言っていたので)私の何かしら悩んでいる人や

 夫のような家族を持っている人を

 何かしらできたらいいなと思って、

 今、考えています。」

いま、これらの犯罪行為は

野党を支持している人でさえも

記憶が風化しつつある。

だからこそ雅子さんは夫の遺志を受け継ぎ生きることと

あのときの真実を知りたいという思いを

あきらめないということが伝わった。

あとは私たち国民が

この疑惑をどう落とし前をつけるべきか、

その責任から逃げられることは

できないはずだ。

(写真は一番上を除いてTBSテレビの報道特集より、一部敬称略。)

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