千葉・館山から「それでも、ここにいたい」

先月の20日早朝(19日深夜)に

TBSテレビで放送していた

JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス」は

館山市の布良地区で3度の台風で被害にあった

3人の住民のその後を取材した

「それでも、ここにいたい」だった。

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小谷(おだに)登志江さん(78歳)の自宅は

台風15号による強風で

2階の屋根が吹き飛ばされ、

その後ブルーシートを貼っても

吹き飛ばされる状態で

当然部屋の中は雨ざらし

親戚が紹介した家で避難生活を送るも

部屋の整理などで頻繁に行き来することになる。

その間に19・21号が通過して

一時は戻ることをあきらめようと思ったが

やっぱり自分は布良っ子だからと、

2階部分を切り取り

平屋建てにリフォームして

住み続けることに決めたのだ。

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写真は業者の土屋直人さん。

15号上陸の10日後に

被災した人の役に立ちたいと静岡から駆けつけて

そこで小谷さんに出会った。

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土屋さんは新しい家を

みんなが立ち寄ることが出来る、

人のつながりがある家にしたいと言った。

その後押しを受けて

思い出の一部が失われる悲しさを

乗り越えて目良地区で

生き続けていくことになった。

もっとも小谷さんの場合は

まだ良いほうで、

みなし仮設住宅を借りることが出来ても

知り合いが誰もいないからと

全壊した家のわずかな空間に住み続ける人や、

布良に住むことをあきらめて

息子さんの家に近い東京のアパートに

引っ越した人もいる。

番組で取材した人々に共通しているのは、

いずれも連れ合いに先立たれて

台風前から独居状態だったこと。

身内が布良どころか

館山市以外の場所に住んでいること。

そしてお金の問題でこれからを決めなければいけないことだ。

なんともやるせない気分になる。

これからもここで住みたいと思っても

かなえられない現実もある。

しかもこれは個人の問題ではなくて

地域のさらなる過疎化、そして

崩壊へとつながる恐れがあるのだ。

その危機感が自治体にあるのだろうか?

春になるころには

少しでも布良地区に明るい希望が

生まれてくればと思うが、

まずブルーシートからの屋根の再建を

何とかしてほしいところだ。

これこそ「加速化」してくれないと

困るはずなのだ。

 

なお、今夜(3日)早朝の

「ザ・フォーカス」は

札幌で安倍首相にヤジを飛ばした聴衆が

警察に強制排除された問題を

クローズアップする。

shiraike.hatenablog.com

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