表現の自由が脅かされること 治安維持法と生活図画教育

昨日のブログで書いたあの北海道の地で

いわれなき表現の自由に対する弾圧が

戦前にあり、その歴史が再び

振り返る機会があったことを

JNNドキュメンタリー「ヤジと民主主義」

北海道放送制作)の映像にあった。

昨年11月20日。

札幌のギャラリー「北のモンパルナス」で

「無二の親友展」が開かれた。

北海道音更町に住む元教師で画家の松本五郎さん(98)と

旭川市の元ガス会社員の菱谷良一さん(98)の二人の

作品が展示されているが

78年前の1941年9月、

当時の旭川師範学校の美術部員だった頃に

「生活図画事件」に巻き込まれる形で

思想犯として治安維持法違反で逮捕され、

投獄されたのだ。

生活図画教育、ありのままの日常を

絵にすることを生徒たちに促す教育法で

生活綴方教育とともに一部で推進されたが

「子どもに資本主義社会の矛盾を自覚させ、

 共産主義につながる」との理由で、

全国的に一斉摘発され、

300人以上の逮捕者を出すことになった。

松本さんと菱谷さんが習った

美術部の顧問、熊田満佐吾先生(故人)が逮捕された

半年後に特高警察に検挙され、激しい尋問を受けて

自身が思ってもみなかった

共産主義的な証言まででっち上げられて

有罪判決を受けている。

戦後になってもこれらの体験を語ることがなかった。

しかし第2次安倍政権が

共謀罪の適用を認める法整備を進めるなかで

「これはかっての治安維持法と同じだ」

という思いを強くし、

あの頃のことを語るようになったという。

菱谷さんと松本さんが

当時書いた画には

特定の思想が現れているものではなかった。

本を巡って話し合う人の絵(菱谷さん)は

本がマルクス主義と決めつけられ、

松本さんのレコードをみんなで聞く絵は

共産主義を広めているという

レッテル貼りをされたのだ。

あの番組の主題である「首相へのヤジ」と

結びつかないように見えるが

法律に基づくものではない

不当逮捕」まがいの行為を受けて

自身の安寧が脅かされたという点が

まったく同じなのだ。

「(ヤジ排除で)このようなことをするだけでも

 同じようなことをすればこうなるという

 見せしめになることで

 表現の自由に対する萎縮につながる。」

治安維持法に詳しい小樽商科大学の荻野富士夫特任教授)

治安維持法は民主主義や自由主義を潰す

悪質な法律であり、いまの時代では

再度蘇ることはないだろう。

しかし権力を乱用して

世論を巻き込む形で

自由にモノがいえない、描けない、

それ以外の表現が出来ない社会をつくることが

簡単に出来るようにはなってしまった。

いまこそ過去の歴史から学ばなければならない。

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