昨年から国家権力の介入によって
原告側の苦戦が続いている
原発訴訟に一つの光明があった。
17日の午後に出た
巡る控訴審で
広島高等裁判所は
原告側の勝訴となる判決を下したのだった。
(上の写真2枚目まではNHKテレビの映像、3枚目は18日付東京新聞社会面。)
今回の決定は仮処分のため、
四国電力は直ちに不服の申し立てをすると声明したが、
今回の判決をもたらしたのは
裁判長の良識だった。
森一岳裁判長(64歳)は
認める判決を下すなど
民事訴訟を多く手掛けるベテランだが、
今月下旬に定年での退官を迎えるとのこと。
これは
運転差し止めを命じた
樋口英明・元福井地裁裁判長(67歳)
と同じである。
「原発を審理する裁判官に与える心理的影響はものすごく大きい」
今回の判決を受けて樋口氏が語った。
当時も
退官ギリギリのところで
「判決は必ず自分自身で下す!」
という断固たる決意があったからこそ
原告側の勝訴を呼び込んだのだが、
司法界の出世コースに乗りたければ
「原子力村」に魂を売る行為を
しなければいけないという
不文律が末端まで蝕まれているという
証拠がまた露わになったのかもしれない。
しかし今回の決定は
そして建設をめぐって
期限が切れた埋立て許可を山口県が延長に応じた
上関(中国電力)の訴訟団に
「あきらめなければ希望がある」と
新たな勇気も与えたのだ。
それにしても
「経済よりも人命こそが重要」と考える
裁判官はこれからも
減っていく運命にあるのだろうか。
そうであってもらいたくない。
次の世代の司法界を担う人材が
この判例をしっかりと受け止めるようで
あってくれなければいけない。
しかしどうすればいいのだろうか。
やはり修習のなかで
「あらゆる権力に忖度せず、自らが
当事者の立場に立って良い結論を下せ。」
と考えさせるしかないのでは?
それしか思い浮かばないのは
悔しい限りである。
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