愛媛・伊方原発訴訟 控訴審判決は「運転差し止め」

昨年から国家権力の介入によって

原告側の苦戦が続いている

原発訴訟に一つの光明があった。

17日の午後に出た

四国電力伊方原発3号基の運転差し止めを

巡る控訴審

広島高等裁判所

原告側の勝訴となる判決を下したのだった。

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(上の写真2枚目まではNHKテレビの映像、3枚目は18日付東京新聞社会面。)

今回の決定は仮処分のため、

四国電力は直ちに不服の申し立てをすると声明したが、

今回の判決をもたらしたのは

裁判長の良識だった。

 

森一岳裁判長(64歳)は

山口県岩国基地訴訟で当事者(被告)の責任を

認める判決を下すなど

民事訴訟を多く手掛けるベテランだが、

今月下旬に定年での退官を迎えるとのこと。

これは

2014年4月に関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の

運転差し止めを命じた

樋口英明・元福井地裁裁判長(67歳)

と同じである。

原発を審理する裁判官に与える心理的影響はものすごく大きい」

今回の判決を受けて樋口氏が語った。

当時も

退官ギリギリのところで

「判決は必ず自分自身で下す!」

という断固たる決意があったからこそ

原告側の勝訴を呼び込んだのだが、

司法界の出世コースに乗りたければ

原子力村」に魂を売る行為を

しなければいけないという

不文律が末端まで蝕まれているという

証拠がまた露わになったのかもしれない。

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しかし今回の決定は

女川(宮城・東北電力)・泊(北海道電力

そして建設をめぐって

期限が切れた埋立て許可を山口県が延長に応じた

上関(中国電力)の訴訟団に

「あきらめなければ希望がある」と

新たな勇気も与えたのだ。

それにしても

「経済よりも人命こそが重要」と考える

裁判官はこれからも

減っていく運命にあるのだろうか。

そうであってもらいたくない。

次の世代の司法界を担う人材が

この判例をしっかりと受け止めるようで

あってくれなければいけない。

しかしどうすればいいのだろうか。

やはり修習のなかで

「あらゆる権力に忖度せず、自らが

 当事者の立場に立って良い結論を下せ。」

と考えさせるしかないのでは?

それしか思い浮かばないのは

悔しい限りである。
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