本来なら小銃のみだった保管庫に、
中距離多目的誘導弾(ミサイル)と迫撃砲が配備されることが分かったと
エイプリルフールの東京新聞朝刊が伝えた。もちろん本当の記事だ。
もともとは2010年の新防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)に
基づき、宮古島では700~800人規模の警備部隊、ミサイル部隊
が配備される予定で、場所は元・千代田カントリークラブの周辺。
地下水源に影響を与えないからという理由だった。
2017年4月に行われたZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)
の横浜集会で私はこの件を初めて知った。
発言をした楚南由香子さんの涙ながらに訴えた基地配備反対の
訴えは今でも忘れられない。しかし、
2017年10月末には駐屯地の工事が始まり、市民側の反対運動が
工事ゲート前で行われている現状を、
「新聞うずみ火」の昨年1月号の記事で知り、怒りが増幅された。
工事された跡地の持ち主は下地敏彦市長の親戚で
この地のほかに真北の海沿いにある「大福牧場」周辺も
若宮健嗣防衛副大臣(当時)から打診されたが地下水審議会の会長も務める
市長の力が働いたようだ。
ところが東京新聞の記事では
『ヘリパッドや地対艦・地対空誘導弾を保管する火薬庫を整備する計画はない』
と伝えると、下地市長は『弾薬庫が一切ないと説明を受けて一安心している』
と応じた。沖縄防衛局はその後、地元自治会への三回の説明会で
『弾薬庫とヘリパッドは造らない。
小銃などの小火器を入れる保管庫を置くだけだ』などと繰り返した。」
ということで、
駐屯地着工後以降の2018年2月、千代田自治会が
自衛隊員の自治会への加入や公民館の建て替えなどを求める陳情書を
防衛局と市に提出し、事実上の容認に転じ、
野原自治会も同三月に反対決議を撤回したという。
つまりミサイル基地反対を訴えた市民は同じ島民から
「ウソつき」呼ばわりされて孤立したということなのか?
しかしウソをついたのは政府・防衛省ということが明らかになったことで、
十分な説明をしていなかったことを謝罪した上で、
弾薬類は島外に搬出すると答弁したそうだが、
あくまでもそれは一時的な措置。
保良(ぼら)鉱山周辺に整備する弾薬庫が出来たら
そこに再び弾薬類を保管することになるそうだ。
騙し討ちをしたのは事実だ。計画をこれからも変更しない限り、
駐屯地が本当のミサイル基地に必ずなることは確実だ。
「地域には高齢者が多く、声を上げられない人が多い。
弱い地域を狙い撃ちして大量の弾薬の配備を推し進めようとしている。
あまりにもひどい。」
「報道でうそがばれたから、この地域に負担を押し付けるのか。」
(3日の東京新聞朝刊の社会面より)
反対運動の輪はこれからも拡げていかなければならない。
南西諸島を再び戦場にしないために。