ミュニシパリズムとは初めて知った言葉だ。
しかしこの意味を知ることが
絶望状態にある日本の政治を
国民に取り戻していく最高の手段となる。
松戸市民ネットワーク「松戸で生きたい私たち」の
月刊誌「たんぽぽ」の通算400号記念のイベントが
きのう(28日)午後、松戸市民会館301号室で行われ
読者の一人として参加した。
といっても前半の
内田聖子(うちだ しょうこ)さんの講演のみだったが
とてもためになった。
アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表として
第2次安倍政権以来の情報公開の在り方を
SNSで発信してきたことで有名だが
今回は昨年の杉並区長選挙とその後の同区議選のことが
中心になった。
まず新自由主義が台頭することで
オルタナティブの喪失、
すなわち多様な政策の選択が失われることで
国全体の富が一部のエリート層に集中し
大企業や物言う株主らが政治に大きく介入することが
常態化し、その結果が
階層格差・地域格差(表では見えにくい)が拡大する
悪循環を招いている。
それに対する手段はどうするのか。
岸本聡子候補は
「住民本位の杉並区長を実現させる会」の推薦を受けたが
これまでの仕事の拠点だったヨーロッパから慌ただしく帰国した
告示約2か月前に出馬表明。
杉並区には縁のなかったよそ者の候補として
地盤・看板・カバンのない中での選挙戦になったが
さとこビジョン(対話から始まるみんなの杉並)では
未来世代に環境問題を残さず、
区立施設と区の職員は「コスト」ではなく
杉並の財産として住民サービスの充実を担う
存在として適材適所で増やし、
ジェンダー平等とチェーン店に依存しない地域経済の活性化と
人と人のつながりで防災に強い地域社会をつくるという
政権公約を固めて戦い抜き
187票差で当選した。
都市計画道路や駅前再開発と児童館の廃止に反対する住民の動きと
(あんさんぶる荻窪の財産交換問題も)
住民たちが自発的にチラシ配布や街宣などに取り組み繰り返し、
なんと女性票が男性票を上回ったという結果も出た。
その後の4月に行われた区議会議員選挙も
やはり住民たちが「ひとり街宣」や
区議選ドラフト会議などの比較サイトを開設するなど
「選挙に行こう!」熱を上げたことで
区長選(37.5%)を上回る43.66%の投票率で
パリテ化を達成させたのだ。
ミュニシパリズムとは政党主導ではなく
市民主導で政策協定を建てて候補者を選出し
「やさしい熱狂、楽しい運動、やかましくないムーブメント」とする
対立ではなく「対話」を中心コンセプトとする
選挙戦にすることだ。
これで得られた新しい政治の形を国に持っていくことだ。
ここしばらくは住民運動側の選挙の敗退が続いているが
だからこそ「杉並スタイル」の
新しい民主主義の形を定着させていきたいのだ。