#物流 #2024年問題 を前にこんな現実も…



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(きのうのブログのつづき)

政府が物流の2024年対策に向けて

内閣改造でどこまで具体的にやろうとしているのかは

わからないが、

その前に動き出したのは「トラックGメン」だ。

国土交通省が7月に発足させたもので

荷主と運送会社の取引を監視し、

運転手の労働環境改善と取引の適正化を図ることが目的だ。

ただ全国の地方運輸局に配置されたのは164人で

数多くの企業や事業所がある関東地方はなんと24人。

この人数で電話や訪問などの「プッシュ型」で情報収集をかけて

問題があると判断したら(荷主と業者間で不法な取引がある場合など)

貨物自動車運送事業法に基づく改善の働きかけや要請、勧告・公表を行う。

しかし、2024年までに時間が少ない。

すべての悪いところを抽出して改善に持っていくのには

Gメンたちが奔走しても大変な状況が続きそうだ。

現に事業者からは

「荷主に対する運送業者の立場は弱く、

 決して同列というわけにはいかない。

 問題だと感じていてもこれまでは言うことができず、

 国に言いたくても窓口がなかった。

 国側から聞きに来てくれるのはありがたい」という声がある一方で、

「そのうち本当にモノが運べなくなる。実際にそうならないと分からないのか」

という声も。Gメン側からも

「こちらから聴取しても詳細を言い出せない運送業者も多い。それだけ荷主に弱い。」

(実際に業者を訪問して聴取した関東運輸局の堀越千秋貨物課長)

この件は東京新聞こちら特報部」の9月4日付の記事によるもの。

www.tokyo-np.co.jp

さらに17日にスマートニュースを読んだら

こんな記事があった。

www.sbbit.jp

こちらはモノを運ぶドライバーからの「悲鳴」だ。

荷主の依頼を受けて出荷したくても

荷物を保管している側がデバンニング作業をしないために

「荷待ち」をするケースは多いが

この記事では、なんと6時間も待たされたというから異常だ。

荷主の依頼を受けて行ったら、

デバンニングは別の通関業者がやるということになっていた。

ところがいつまでたっても積み下ろしをやらない。

ドライバーが配車担当の田中さん(仮名)にSOSを出したのは

3時間後のこと。田中さんは現場に急行して

まず現場で荷役を担当しているフォークリフト・オペレーターに声をかけたら

「さあ…」と冷たい一瞥をくれるだけで、

田中さんのことを、まともに相手にする人はいなかったので事務所を訪れ、

フロントマンに同じことを聞いたら

「今日は忙しいので…、ちょっと予定が見えないんですよ」

まさに慇懃無礼、「聞いてないよー!」ということで。

「いや、ウチだって、

 入庫や出庫が重なって、

 他社のドライバーを待たせてしまうことはありますよ。

 でもね、俺だったら…、『ヤバい』と思ったら、

 とりあえず手元の業務は後回しにしてでも、

 現場を手伝って、1分でも早く入庫・出庫できるように努力しますけどね」と

田中さん。

国は荷待ちと荷役作業については「2時間ルール」を徹底させるように

発表したが、

荷主が多くの発注を手掛けるために

その無理を現場に押し付けることで

キャパオーバーを招いてしまうことを

どうやって規制するのかは

まだこれからの課題なのだ。

私は仕事でデバンニングをやることもあるが

コンテナから倉庫への荷下ろしと検品のみで済んでいる。

しかしドライバーはコンテナや大量の貨物を丸抱えするために

その負担は大きいのだ。

Gメンたちがこの事実にメスを入れて

悪い病巣を出せるように

さらなる政策面でもバックアップと

業界全体の改革を進めてもらうしかないのだ。