「7割は再び処理が必要」
見出しより。
すでに海洋放出されている
ALPS処理水に「まだなっていないタンクの中の水」の
詳しい事実を伝えていた。
ズバリ、原発処理「途上」水の実情は本題だ。
以前のブログでタンクのなかに残っている
「汚染水」の7割以上が
安全基準を上回る濃度にストロンチウムがあり
東京電力(東電)の担当者は
再処理することで大半は取り除けると
「報道特集」の取材でコメントしていた。
では、それはどういうことなのか。
まず、この記事の拡大写真より。
満水になったタンクのすべてを見てみると
放出基準を超えているタンクが
基準の10倍未満までが全体の半分。
これに10倍から100倍未満のタンクと
100倍以上のを加えると
全体の7割となる。
具体的には、
放射性ストロンチウム90、放射性セシウム137、放射性ヨウ素129の
「核種」の濃度が基準を超えている。
(タンク群の全てが同じ濃度ではなく、基準を下回る
タンクも少なからず含まれることと、
全てのタンクで測定をしていないとの注釈つき。)
この写真のグラフを見ると、
放射性セシウム137については
処理後の濃縮基準値(90ベクレル/1リットル当たり)を
上回ったことがないから、処理そのものに問題はない。
しかし、放射性ストロンチウム90は2014~15年に、
基準値30(同)を越える数値を、
放射性ヨウ素129は2013~14年に
基準値9(同)を上回り、その後も低減は「いまひとつ」状態だった。
「東電は2015年度末までに少しでも多くの水処理を終えようと急いだ。
特にフィルターの交換時期が近い時に性能が大きく低下。
機器トラブルが重なった。」(記事より)
ALPSの処理が適切ならば
「再処理」や「海水で薄めて」というやり方を取らなくても
海洋放出へのハードルはうんと低くなっていたはずなのに
東電は自らドジを踏んで
それを認めようとしていない。
しかも近畿大学(近大)が2018年に
完全な除去が不可能と言われていた放射性トリチウム水の
分離・除去に成功したのにも関わらず
その頃は放射性ヨウ素129の濃度が減らないことに
困り果てていたようだから
とてもトリチウムどころではなかったのでは?
いずれにしても2回目の「再処理」をするのなら
その状況と結果について
ぜひきちんと公表してもらいたい。
でないとWTOでまともな反論なんて
恥ずかしくて出来ないだろうに。