当然だろう。
夏までに実現させると言われている
あの「汚染水」の海洋放出の件は
政府側が中国や韓国などから強い懸念を
示していることから
15~16日に札幌市で開いた
科学的根拠に基づいた海洋放出への取り組みを含めた
廃炉の着実な進展を歓迎する」との文言を
共同声明の文書に盛り込む予定だったが、
参加する各国からの「明確な賛同」は示されず
日本の取り組みを歓迎する」との表現に変更されたのだと。
きのう(19日)発売の日刊ゲンダイより。
ただし、おととい(18日)の福島民報では
G7は廃炉と福島の復興には「処理水の放出は不可欠と」指摘した上で
IAEAによるレビューは「安全基準や国際法との整合性」を保ち、
人体や環境に害を及ぼさないことを確保することにつながると
支持したと伝えている。
すなわち日本のやり方を歓迎するのではなく、
IAEAの評価を支持したということで
「共同文書は一定程度のアピールになるとみられるが、
具体的な取り組みは不透明なままだ。」と記事にあった。
ここまで読まれた方の中で、
題名に「G7から理解を得られなかった」とつけたことに
「ウソじゃねぇの!」と思われるかもしれない。
すなわちその機関から「お墨付き」が与えられても
共同文書の最後には
「我々(G7)は、オープンで透明性をもって、
国際社会との緊密なコミュニケーションを取りながら
進められているこれらの取り組みを継続するよう、
日本に奨励する。」と言われたこと。
まさに、日本国政府に対する「皮肉」そのものだ。
実際にドイツのレムケ環境原子力安全相は
同会合で「歓迎したわけではない」と
ハッキリと釘を差していたのだ。
オープンで透明性などウソ八百だし、
多くの抗議だけではなく、
科学的な根拠に基づいた指摘によって
海洋放出の問題性が国内外から厳しく問われ続けていたのだ。
つまり、G7も今後の海洋放出がどう進められるかを
厳しく見ていることを忘れてはいけないのだ。
なにより海底にパイプを沖合1km先まで延ばして
放出させることに決めたのは昨年になってからのことだった。
これも漁業関係者や地元の厳しい声に
東京電力がシブシブ対応せざるを得なかったことだ。
そして国際社会との緊密なコミュニケーションの
仮想敵国となった「中国」「北朝鮮」はもとより
「韓国」とどう理解させることが出来るのだろうか?
政府は緊張感を持って海洋放出に反対する側に
きちんとした説明責任を果たすこと。
これから逃げることはもはや許されないのである。