私は、ロッカーのカギをかけても
ダイヤル式だと何度も開けて
暗号を確認してしまうクセがある。
さらに携帯電話や貴重品の入ったパスケースを
リュックサックに入れた時は
何度も開けたり閉めたりして
確認してしまうことがあるし、
水筒のロックをした時もそうである。
ひょっとしたらこれではないかと思いながらも
いまだに確認していないことを。
ことしの2月28日の
東京新聞特報面の「本音のコラム」
看護師の宮子あずささんが
20年以上前の話として
浴槽から1日中出られなくなった一人暮らしの女性がいた。
強迫神経症だったのだ。
なぜかと聞いたら、前を歩くサラリーマン風の男性が、
「犬のうんこ」を踏んで平然と歩いていたからだと。
「世の中には、犬のうんこを踏んでも平気な人がいるんですね。
そんな世界に住んでいると思ったら、
家に帰って体を洗わずにいられなくなりました。」
そして気持ちが高まって泣きながらこう言ったという。
「あの男が犬のうんこさえ踏まなければ、
私は普通に暮らせたはずなのに。」
これを書いても大半の人は
「別に気にしなくてもいいじゃないか。」
「犬のうんこを踏んだヤツがバカを見た。
自分が踏まなくてよかった!そう思えばいいじゃん!」
「汚いものを見たのはかわいそう。
でも一日中お風呂で体を洗うことか?」
と思うかもしれない。
しかし、生まれ育った環境や
個々の性格や心の奥に残っている「記憶」などで
極端な行動に走って
それが止まらなくなることもある。
問題はそれが「病気」であることを
見極める専門家の診察が受けられるかどうかである。
この女性は、最初に異常を気付いたのは
なんと水道局。使用量が急に多くなったので
漏水を疑い連絡したが応じなかったため、
大家が両親を呼び、合鍵でドアを開けたら
衰弱の状態に入院になり
回復しても仕事に復帰できず
故郷に帰った。
誰でも突然にこのような事態になることがある。
決してないとは言い切れないのだ。
今ではカウンセリングや治療法も進歩しているが
コロナ禍で孤独状態から抜け出せない人も増えている。
だからこそ覚えていてほしい、
強迫神経症という病気の名前だけでも。
私の場合、カウンセリングは受けていない。
そのかわりに、
「大丈夫、そんなに気にしなくてもいいんだよ。」と
自己暗示をかけて
毎日を過ごしている。