「経済安全保障は、国民の生命や財産を守る
安全保障に政府の経済政策や企業活動を
結びつける考え方。」(13日発売の日刊ゲンダイより)
正直言って11日成立した
経済安全保障推進法は、これからの日本のために
やってはいけないことを
立憲民主党が条件つきで賛成したことで、
ますます胡散臭いものになっている。
その証拠が同日発売の東京新聞
「こちら特報部」にあった。
「スプレードライヤー」などの食品加工用の
噴霧装置で国内シェアの8割を占める
大川原化工機の社長と幹部が
突然外為法違反で逮捕され
長期に渡り勾留。幹部氏は病気を悪化させ
釈放後に死去した。
その理不尽なやり方はこの法律を押し通すために
『生け贄』『見せしめ』にしたということなのだ。
公安警察は「経済班」という
新たな捜査チームを設けて大川原原化機をターゲットに
捜査を進めたが、長期拘留後に
突如、国がそれを取り下げたのだ。
その後に大川原化工機は
国を相手どって損害賠償訴訟を
起こした。当然だ。
この法律の運用のほとんどは
政省令で決める項目が138か所もあり
まさに特定秘密保護法や共謀罪法と同じ中身になっていることで、
実際に活用されることはないということも
考えられるが(たぶん財界が許さないだろうが)
これではマトモなものつくり企業は
確実に店じまいか、
自由を求めて海外に脱出することが
加速化するだろう。
日本人はマスクを含めて多くの輸入品で
生きながら得ている。
経済安全保障というのなら
メイドインジャパンを私たちの日常に
もっと増やせるような経済構造改革こそが
必要ではないのか。
先の戦争も資源の供給が絶たれて敗れた。
いまのやり方では歴史は繰り返される。
そうなれば犠牲に遭うのは
真面目にコツコツと働きつづける
名もなき人間たちなのだ。