10日の憲法審査会で新聞が伝えない「大きな見どころ」

自民・公明どころか

国民民主と日本維新の会のゴリ押しで

強行開催された(立憲民主党も情けないが)

憲法審査会だが、

なぜか新聞(読売・東京)を見てみると

コロナ禍などの新型感染症を想定して

オンラインによる国会審議が出来るように

憲法に新たな条文を加えるべきだという議論が

行われたという。

www.tokyo-np.co.jp

www.yomiuri.co.jp

しかし、IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)のニュースレターを

見ると驚くべき論議の実態が明らかになった。

 「自民党新藤義孝議員は、国民投票法のCM規制について、

 『2007年に国民投票法が制定された際に【できるだけ自由に】という方針を

 積極的に主張したのは当時の民主党だった』と指摘し、

 『CM規制については、法的な規制は極力避け、

  自主規制によると整理された。放送事業者による自主規制に委ねることが自然だ』 

  と主張しました。」

つまり、もっとも国民投票を行うこと最大の前提になる

CM規制の問題は、テレビ・ラジオ局に丸投げして

その責任を今は亡き「民主党」になすりつけるという

姑息で卑怯な手を正当化しようと主張したのだ。

ただ、「国民投票有料CMの取り扱いについては、

今後、憲法審を安定的に開催して具体的な議論を深めていきたい」

と逃げ道を打つ発言をしたので、

新聞などのマスコミは追及への道をふさがれた。

(もちろん野党も)

 そして、「国民のために議論をし、

 決定する国会機能が麻痺してしまうリスクは、

 まさに目の前にある現実の危機であり、

 こうした有事といえる状況に対して、現行憲法には規定がない。

 緊急事態について早急な議論が必要ではないか」ということで、

「事態は切迫している。私どもは国会の責任を果たす為にも、

 そして国家機能を維持させるためにも、

 この問題にはしっかりと取り組まなければいけない」

 などと危機感を煽り、

 自民党改憲4項目たたき台の緊急事態条項の創設を訴えました。」

まさに「はぁ?」である。

新聞の見出しはあくまでも

「オンライン審議の実現を」とか言ってるが

自民は緊急事態条項の条文化が必要だという

まさにナチスばりの「全権委任法」を憲法に組み入れようとする

「キバ」を向いたのだ。

www.buzzfeed.com

 これに対して立憲民主党奥野総一郎議員は

 「立憲民主党は、国民主権・平和主義・基本的人権

 日本国憲法尊重の三大原則を守りながら、

 憲法に足らざるところがあればそれを補っていくという『論憲』の立場だ」

 と述べた上で、

 「安倍改憲4項目ありきの議論には応じられない」

 と新藤議員の主張に反対し、

 その上でコロナ禍で多くの議員が感染し、

 国会審議の定則数に満たなくなる可能性を指摘し、

 『外国ではオンラインの国会審議が当たり前のように行われている。

  日本でも憲法解釈により、すぐにでもオンライン審議ができるようにすべきだ』

 と訴え、論点整理をした上で、

 オンライン審議が現行憲法上可能であることを明確にすべきだと主張し、

 その議論は予算審議中でも必要な喫緊の課題だと訴えたと。

 

 奥野議員は「新藤議員は緊急事態全般について議論したいとの発言だったが、コロナ禍で憲法改正の話をしても到底間に合うものじゃない。今できることは、解釈でオンライン審議を行うこと。緊急政令とかそういう問題をはらんでいる物について、今は拙速に議論すべきでありませんし、そもそも我々はそこについては反対だ」と述べました。

 一方、奥野議員は国民投票法のCM規制について、新藤議員が「当時の民主党も主導して『できるだけ自由に』という方針になった」と発言したことに対し、「2019年5月の憲法審査会において、民放連が広告料に特化した自主規制を行う旨発言し、前提が崩れた」と指摘し、「国民投票の公平・公正を確保できるまでは、憲法改正の発議はできないと解される」と主張した上で、立憲民主党国民投票法のCM規制に関する改正法案をとりまとめ、国会に提出することを明らかにしました。

 ところが、日本維新の会馬場伸幸議員は、

 立憲民主党の提案したオンライン審議の議論に理解を示すも、

 「オンライン出席を可能とする制度のあり方は、

 立憲民主党がこだわっているCM規制のあり方と同様、

 非常にテクニカルな側面が大きいテーマだ」といちゃもんをつけて

 自分たちが提案する小委員会方式に賛同いただきたいと。

はっきり言って立憲民主党の議員は

コロナに感染したのは自己責任だから

こんなことで自分たちのやろうとしていることを

寄り道されたらたまらないということか。

 しかも、国民民主党玉木雄一郎議員は、

「速やかに議論しなければならないのは、オンライン国会を可能とすることと、

 緊急事態発生時に国会議員の任期を特例で延長することを可能とすることだ。」

 と訴え、「本日この場で」

 オンライン国会が合憲だとの結論を出すことを求めたが

維新との見解が分かれてしまったことを

新聞は大きく伝えなかった。

そして最後の自由討論で、

日本共産党赤嶺政賢議員が、

 「自民党改憲4項目を中心とする改憲草案づくりを進める議論は

 断じて許されない」

 「今必要なのは、憲法に反する現実を正す議論です。

 コロナ禍で生存権が脅かされている現実こそ議論すべきです」と述べ、

 「憲法審査会は動かすべきではない」と主張したことに対して

自民党石破茂議員は、

 「私は、赤嶺議員とも議論をしたいと思っている。

 地位協定の改定が必要だ。安全保障条約の改定が必要だと、

 私は個人的にはそう思っています。

 だからこそ、憲法の改正が必要だというふうに思っているんだけども、

 結論部分において違う。

 それはどういう風にロジックが違っているのかいう議論は、

 きちんとしたいと思っている。

 日本国は、本当に独立主権国家であるのか。

 独立主権国家って、では何だ。領土であり、国民であり、

 統治機構であり、この三つは絶対に外国に指一本触れさせないということが、

 主権独立国家なはずなのだが、

 我が国は合衆国軍隊に対して基地の提供義務を負っているはずだ。

 それは重光・ダレス会談で明らかになったように、

 日本国のどこにでも、どれだけでも、

 いつまででも合衆国軍隊が駐留する権利を確保するということが、

 日米安全保障条約であって、

 それを提供する義務は日本国に負わされている。

 それは本当に主権独立国家というのかという議論を、

 きちんとしなければいけないと思っている。

 私は米軍の駐留は必要だと思って、

 日米安全保障条約も必要だと思っていて、

 しかし、そこにおいて、それは義務として負うのではなくて、

 日本国民の選択の結果でなければいけないと考えている。

 ウクライナ情勢もそうです。

 敵基地攻撃能力、策源地攻撃能力。それは言葉は似ているけれど、

 全然本質と違う議論なのであって、

 このことも憲法の議論なくして成り立たない。

 ウクライナの問題も、NATOの問題も、

 それは集団安全保障、集団的自衛、

 これは相互補完するものだという考え方を私は持っているんだけども、

 この議論を徹底していかなければ、

 日本の独立と平和を保てないと思っている」として

 分科会の開催や頻繁な討議、

 北海道から沖縄まであらゆる地で国民と直接向き合うことが

 重要だとの持論を展開した。

この意見はいままでの自民党、とくに

安倍政権のやり方とは真逆の主張として

もっとも注目すべきことであるが

これも大きく報道されなかった。

確かに自民党改憲タスクフォースを進めているが

石破氏の主張が入り込めないガチガチの

「米軍追従」の主張を正当化させる行為ばかりである。

マスコミだけでは憲法の行く末をしっかり見つめることができないとは

なんともやりきれないことだ。

ちなみにCM規制について立憲民主党

「2019年5月の憲法審査会において、

 民放連が広告料に特化した自主規制を行う旨発言し、前提が崩れた」

 と指摘し、

国民投票の公平・公正を確保できるまでは、

 憲法改正の発議はできないと解される」と

 主張した上で、国民投票法のCM規制に関する改正法案をとりまとめ、

 国会に提出することをこの場で明らかにした。

 

自民・公明・維新・国民の嘘つき作戦に

騙されない努力をさらに続けていきたい。

 

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