IT・デジタル時代に憲法論議が追い付かない!

我が家で購読しているのは読売新聞。

個人的に駅売りで買っているのは東京新聞だが、

19日の読売の朝刊1面に

これは見逃せないぞという記事を

久しぶりに見つけた。

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31日投開票の総選挙の争点を識者に問う

「視座」という企画の最終回。

慶大教授で憲法学者の山本龍彦氏が

高度に進化を続けるデジタル社会における

日本国憲法の今後の課題を明らかにしている。

最近ではプロレスラーの木村花さんが

SNSによる誹謗中傷で自殺に追い込まれたり

野党議員が「法人」だった「Dappi」に

悪質なデマを拡散されたり(自民党の関与の疑いがもたれている。)と、

便利になったネット機能が個々の人権を脅かす事例が多くなった。

またデジタル庁発足で、国(省庁間)や自治体を超えて

個人情報が横断することで

ダダ漏れ」の危険性が増えるという声も多い。

 

山本氏は2016年のアメリカ大統領選における

プロファイリング(集積された情報をAIで分析して人物像を特定する)で

「影響されやすい性格」だと予測された人に

フェイクニュースを集中して送ることで

投票行動が操作された指摘を出した上で、

欧州連合(EU)が

巨大プラットフォーマー(GAFA)を

「新たな権力主体・統治主体」として

憲法の原理を適用しようと考え、

既にEU基本権憲章で

個人情報のデータ保護を「基本的人権」としてとらえ

GDPR(一般データ保護規則)で

プロファイリングに対する規律を導入したのだと。

EUのGAFA規制法が色々ありすぎるのでできるだけ簡単に整理してみた|富岡秀夫|note

 

日本にも個人情報保護法制はある。

しかし山本氏は、

「どのような権利を何の目的で守ろうかとしているのか

 明確ではなく、(欧米と比較して)周回遅れの感がある。」と。

一読しただけでは理解しづらいが、

そこに付け加えられたのが

「情報自己決定権」の重要性だ。

 

いまの現状では個人情報が突然「流出」されて「悪用」されても

被害を受けた側は「犯人」を探し出すのが

大変で、自分たちでやらなければ警察や司法や行政が動かない。

最近ではSNSの管理者に加害者を特定させるために

発信者の情報開示が迅速に手続きが出来るようにはなったが、

野党をフェイク攻撃してきた有名ネトウヨ「Dappi」の正体は自民党が主要取引先のウェブ制作会社だった!|LITERA/リテラ (lite-ra.com)

プロファイリングによってフェイクニュースを発信された場合の

被害を感じた場合の対処は

その「犯人」に立ち向かうことと、

それを「予防」することがとても難しいままで

このままでは、憲法上の基本的人権が「形だけ」になり兼ねない。

だから、「自分の情報を他者と共有する範囲を自分で決める」

情報自己決定権を

「立法や司法に導く羅針盤」として

現行憲法の条文に「新たに」書くべきかどうか

議論してほしいと

山本氏は訴えている。

 

もっとも憲法を護る側からは

「そういうのはいまの憲法でも保障されているはずだ!」と

反論されるかもしれないが、

山本氏は、プラットフォーマー側の自由に配慮し

過度の法規制は良くないとして

「彼らを組み込んだ新たな権力分立像を描くこと」

が重要だと主張する。

 

憲法は「国家の暴走から国民を護る」基本法だが、

ここに「国境を越えたプラットフォーマーの暴走から」

といった語句を加えるべきだというわけだ。

 

このような形で立憲主義を補強できるのならば

被害者保護の観点から理解ができる。

 

 

最後に山本氏は憲法論議

多数の「普通の人」を巻き込むには

実践的な論議が必要としてデジタル社会の課題から

考えるべきであり、

衆議院解散権問題や国会改革など

「やりたくない」事項から手をつけることが

党派性を排した、信頼可能な論議につながると書いている。

確かに、コロナ禍に乗じた緊急事態条項や

電磁バルスとか敵基地攻撃能力とかを主張しても

改憲」へ進むことは出来なかったまま

アベは辞め、スガも挫折した。

むしろ身近な問題から憲法論議をやり直すことが

一番だと私も思う。護憲であれ改憲であれだ。

 

しかし、デジタル音痴な政治家ばかり多いのを

何とかするのが先だというのが悲しい現実。

総選挙でやらなければいけないこと、

あり過ぎますねぇ。

まず、その連中を落選させるといっても

大変ですしね。

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