世間の関心は三度目の緊急事態宣言に向いているが
(国政選挙の2補選と参院広島の再選挙ではない)
なんだかデジタル庁を設置するを柱とする
デジタル改革関連法案が6日の衆議院本会議で可決されて
来月には参議院も与党の賛成多数で通過して
9月1日にはデジタル庁が発足するとか言ってるが、
はっきりいって
どうしてこんな役所をつくる必要があるのかが
よくわからないのである。
一応新聞記事などを見ると、
これまでは各省庁で管理運用されている
デジタルのデータを
デジタル庁が一元して管理して
各省庁を横断してデータを共有化し、
さらに地方自治体ともそれを一本化することで
行政面の効率化および現場における
住民国民とのデジタル化を充実されるようだが、
問題があまりにも多いという。
まず、デジタル庁が管理するのにもかかわらず
首相が情報管理のトップになっていること。
デジタル庁の職員は5000人規模だが
1000人超もの民間からの登用が予定されていること。
さらに政府も地方自治体も情報が一元化されることで、
個人情報が目的外で各行政機関が勝手に利用される危険性があること。
そして監督・監視機関となる個人情報管理委員会は
省庁に対する命令権限がないこと。
そして極めつけは
自治体ごとに個人情報保護条例が「骨抜き」になることで
「地方自治の本旨」を定めた憲法第92条に違反しているということ。
このように問題だらけのデジタル庁関連法案だが
さすがに長く国会審議で突っ込まれるとマズいということか
たった29時間で論議を切り上げてとっとと衆議院を通過させてしまった。
(上の写真は7日付東京新聞2面の一部。)
野党、とくに立憲民主党のダラシナサが目立った結果だが
正直いって国会議員全員が
デジタル庁設置でどんなメリットが生まれるか
わかっていない人が多いように思える。
「デジタルといえば携帯電話が安くなるんじゃね?
それっていいじゃん!」
「煩雑な行政関係の手続きがスマホ一つで出来るのなら
賛成でいい。」
「役所自体がサイバー化させることは
とてもいいことだ。」
せいぜい一般国民の感情としてはこれが
ほとんどではないだろうか?
しかしこの法案は国民一人一人の個人情報が
国家によって丸裸にされることで
権力による圧力が掛けられてしまうことと
同じになるのだ。
7日の東京新聞の一面トップ。
あの送別会の「会食」をやらかした厚生労働省が
短時間労働者の賃金統計を
2020年度から医師や大学教授など
高賃金(時給レベルで3000円超)の人を
集計に加えていたのにもかかわらず
統計法で義務付けられた総務相への変更申請をしていなかった。
これには野党から
「アベノミクスの成果を示すための賃金偽装だ!」と
怒りの声が上がっている。
なんでそれがと思うだろうが、
デジタル庁が出来ても
私たちの個人情報を活用して
政治や行政をより良い方向に持っていくどころか
ウソ・ごまかし・捏造で失敗を隠して
国民をミスリードする。
これでは、
デジタル庁なんて新たな税金の無駄遣いになるだけだ。
ここはひとつ野党は徹底的に
デジタル庁関連法案を追及して
廃案に追い込んでほしい。
政府与党は早くも「子ども庁」設置をマスコミに吹聴して
国民の関心をそらそうとしている。
こんな汚い工作に屈しないで欲しいものだ。
そうしなければ
永田町の住人はみんな揃って
「デジタルオンチ」のレッテル貼りをされても
誰も文句は言えないだろう。
「こども庁」創設、選挙目当てでは?仕掛け人に聞くと…:朝日新聞デジタル (asahi.com)
デジタル法案が変える個人情報 利便性と監視社会の表裏:朝日新聞デジタル (asahi.com)
看板政策、議論深まらず デジタル改革関連法案、短い審議に法律家「拙速」と批判:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)