インクルーシブ防災とは何だ?

先月の14日の東京新聞最終面の

「備えよ!首都水害」では

身体に障がいを持つ人、

そして高齢者でも

誰も取り残さずに災害時に避難できるようにする

いわゆる「インクルーシブ(包括的)防災」について

特集を組んでいた。

現状では、自治体で設置される避難所は

十分な取り組みや受け入れが

出来ていない例が多い。

(私は住む市もそうだ)

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記事では江戸川区の女性(50代)が

脳性まひで在宅介護を受けているときに

昨年10月の台風19号で

勇気を出して避難所に行ったときに

用意された保健室のベッドをお年寄りに譲って

車椅子のままで仮眠し

多目的トイレが使えず

ボランティアの女性がおむつ交換を手伝ってくれたこと、

顔見知りの女性に声をかけてもらったことが

心強かったことが書いてあった。

利用している自立生活センターでは

集団避難先を台風上陸2日前から探していたが

見つからず、利用者の大半は

移動が困難なために在宅避難になった。

(垂直移動で避難所に行けたのは3人のみ)

代表のコメントに

避難計画を作りたくても

具体的なイメージが出てこないとあった。

確かにバリアフリーに対応するにしても

設備だけでなく

介助などの人の対応をあらかじめ

訓練やマニュアルでやっておかなければ

ならないことが多すぎる。

江戸川区では、この時に避難所になった56の学校で

 車いすや寝たきりの人のためのスペースを用意。

 12の学校でトイレや車椅子の介助をしている。)

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その一方で2016年に熊本地震があったときは

熊本学園大学が自主的に避難所を開設して

最大約750人を受け入れ、

障がい者約60人もここに避難した。

車椅子のスペースをつくるだけでなく

介助の態勢も整え、45日間

最後の一人まで支援した。

ここが「インクルーシブ防災」に基づく

避難所のモデルとして注目されたのだ。

 

私もここを以前テレビで見たことがあるが、

広い空間で余裕をもった避難体制を組んでいるなという

印象を持った。

 

本来ならば地域の人であれば

誰でも受け入れるのが当然であるのだが、

受け入れる側があらかじめ

住民構成や地域のつながりから

社会的弱者がどのくらい住んでいて

そこから行政と連携して

柔軟な避難体制を整えること、

しかし現実は

そこまでの覚悟がまだ出来ていないのが

本音ではないのか。

 

災害のみならず、医療や福祉面などで

本当に包括的な取り組みをしないと

これからも「在宅避難」を

余儀なくされる世帯が

これからも多くなるのは

間違いない。

我が家も自宅がやられるほどの被災に遭ったら

家長(父・80歳)をおんぶしてでも

避難所に行く覚悟を持たなければ

ならないのだから。

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