昨年11月に起きた大阪市の倉庫火災に続いて
5人の死者が出たという痛ましい報道があった。
消防署に通報があったのは
11日の午後11時45分ごろ。
いわば深夜に出火が起きてずっと燃え広がって
「製造棟1棟が全焼」(上のサイトより)。
鎮火したのは翌日の午前11時過ぎというから
消火作業が大変困難だったということだが
後になって過去に何度も出火があったという
ニュースも飛び込んだ。
この製造棟ではせんべいやあられなどの米菓を
焼いたり乾燥させたりする工程があったということで
ここから火に関する注意もあったと思うが、
まさに安全の原則である「ヒヤリハット」の積み重ねが
重大な事故につながるという最悪の事例が出てしまったといえる。
そして出火したときの従業員(アルバイト・パートも含む)が
きちんとした避難体制を普段から
やっていたのかという疑問だ。
「火災報知器が鳴って工場内が停電した。
慌てて避難したが、何が起きたかわからず怖かった」。
(敷地内の別の建物で作業していた22歳男性の証言。上のサイトより。)
夜の場合、突然の事故で停電すれば
避難することが困難になることもある。
訓練通りにいかないこともある。
しかも今回は60~70代の女性が死んでいる。
従業員の高齢化や外国人の登用はこれからも
どこの工場や倉庫でも当たり前のようになってくる。
改めて防災のあり方を見直す必要が出てくるのではないか。
ちなみに私の職場でも
コロナの感染対策のために開けっ放しにしていた各所の扉を
火が燃え広がってくるのを防止するために
大阪の倉庫火災以降は完全に閉め切っている。
もっともイザという時に
避難がしにくいという問題も残る。
「どうすれば死者をゼロにできるか」は
まだまだ考えなければならないことだ。
(13日付東京新聞朝刊より)