2020年度から新しく始まる大学共通テストで
導入予定の英語民間試験は
政治的に歪められたとする疑惑が出たことで延期が決まり、
野党が文科相に厳しく追及する姿勢を強めているが、
それ以外に問題が表面化しているのが
国語と数学に記述式問題を出す点だ。
(11月6日発売の日刊ゲンダイより)
11月5日の国会で参考人招致による聴取があり
その記述問題の採点を誰がやるかと言う質問に、
「アルバイトということも当然ある」と
大学入試センターから請け負った
ベネッセの山崎昌樹学校カンパニー長(参考人)が
そう答えたのである。
正直言ってこれが理解できない。
普通は記述式で問題を出すならば
出題をする側が全てに責任を持って採点するのが
試験の常識というものではないか。
それをセンターが一元的に管理するどころか、
それを民間の教育会社に丸投げして、
問題を作成した者(アルバイトのこと)以外に採点をさせることは
極めてアンフェアで、
ルールのないゲームに無理矢理参加させることと同じである。
それに、記述式問題を出すのは各々の大学が二次試験でやるべきものである。
共通テストで自己採点をした上で
志望校を決める。その時に大学ごとに
試験問題の傾向と対策に違いが出てくる。
そこを絞って準備して合格を目指すのが
当たり前ではないのか。
それなのに共通テストで記述式を入れれば
採点ミスで自己採点がメチャクチャ、
へたをすれば志望校をあきらめざるを得ないことになる。
そうでなくてもこれまでのセンター試験は
問題の記述ミスや解答の誤りが毎年必ず出ているのである。
文科省としては民間に共通テストの業務をやってもらうことで
これまでの課題を解決させようとしているようだが
「数年間を通して、採点業務を真摯にやっていただいている方々」
(山崎参考人の答えより)
では説得力がない。
ベネッセならば「進研ゼミ」があるから
「うちは赤ペン先生を長年に渡って育成、実践した歴史が
ありますから採点業務をぜひ任せていただきたい!」
と答えればいいものを、
金儲け主義がつい口をついて出てしまったのだろうか。
どちらにしても来年受験を控える高校生が気の毒でならない。
いっそこの記述式問題を出すのも延期して見直したらどうか。
ついでにベネッセなどと「お友達」になってしまったような
文部科学大臣も辞職してもらおうか。
政治で公私混同をする輩に
教育政策の責任者をさせてはいけないはずだ。