「コンサート・自由な風の歌14」で出た話について

「若い学生たちと話をする時、日の丸君が代裁判に

 ついて説明するのが難しくなっています。」

  「この裁判は教え子を再び戦場に送ってはいけないという決意

 が込められたものなのです。」

日曜日のコンサートで企画構成とピアノ演奏を務めた

崔善愛先生が途中の挨拶で出た言葉の一部。

「自由な風の歌」というテーマには

日本国旗と国歌を巡る教育現場で起きた事件と

法廷闘争を支援することがきっかけになった。

都立高の教員が卒業式で国旗掲揚

国歌斉唱に反対して停職処分を受けたことに

対して、その取り消しを求めた訴訟に

当時作曲家の林光(はやし・ひかる)さんが

原告側の意見陳述などの支援をしたことから

裁判を支援するためのコンサートが開かれた。

「集会とかいう固いものではなく

 皆さんが楽しんでいただけるようにしましょう。」

と林光さんが企画構成を最初に手掛けて

2012年に亡くなった後は崔先生が後を引き継いだ。

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コンサートを開いて14年、会場も広くなり

今年は500名以上のお客様に来ていただけるまでになった。

最初の頃は教職員と市民有志による合唱は

わずか一曲だけだったのは

今年は曲数が増えて30分以上の長丁場で

歌わせていただいた。ありがたいことだが

それは憲法改悪、国際情勢の流動化による

すぐそこまで戦争が忍び寄る危機感、

日韓対立とヘイトスピーチ

朝鮮学校の無償化除外、そして日の丸君が代への

国民世論の変化と先に書いた裁判がほとんど知られなくなった

現実があるからこそだ。

「コンサートが盛り上げるのはいいことだが

 もう一方(裁判)が良い方向になっていない。」

(同じ合唱団の方から・打ち上げにて)

来年は8月10日に同じ杉並公会堂大ホールで行われる予定だが、

東京オリンピックの閉会式の翌日になる。

「これにちなんでなにかユーモラスなことをやりたいね。」

という声も打ち上げの中で出た。

お祭りムードになる中で、自分たちの意見を

「大きな声で訴える」のではない

もっと自由な形で共感してもらえる在り方を

これからも模索していくことになるかもしれない。

だからこそ来年も参加しようと思う。

なお、都立高教員・河原井さんと根津さんの

2009年停職処分取り消し訴訟の第2回控訴審

11月11日(月)の15時から

東京高裁809号法廷で行われる。

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