なぜ #介護施設 に入居前に殺めたのか 私にはわかることがある( #介護 #自宅介護 #介護保険 #ケアマネジャー #東京新聞 )

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「裁判官 『後悔はあるか』

 被告 『あのときはああするしかなかった』

 裁判官 『今はどう思うか』

 被告 『母を老衰などで普通に死なせてあげたかった。

    乱暴な死に方をさせてしまい申し訳ない』

 裁判官 『介護施設の入居の見込みが立っていたのに、

     どうして犯行に及んだのか』

 被告 『自分でも分からない』」

20日の東京新聞社会面より。

昨年7月22日朝に東京都国立市の自宅で

70歳の娘(当時)が

102歳の実母の首を絞めるなどして殺害した殺人罪

20日の東京新聞社会面の「法廷の雫」で

東京地裁立川支部で17日に下された判決は

「主文、被告人を懲役3年に処する。5年間その刑の執行を猶予する」

だった。

「2012年、

 母の求めに応じ両親の面倒を見るため実家に戻った。

 2021年に父が他界してからは2人暮らしになった。

 事件の1週間ほど前から、

 母のトイレの回数が異常に増え、10分おきに声をかけられた。

 母はかたくなに、おむつに用を足そうとしなかった。

 女性はその度に母を抱きかかえ、ベッド脇のポータブルトイレまで運んだ。」

私はこれを読んで、とても他人事ではいられなかった。

母も父を介護したときはそうだったからだった。

10分おきではなかったが

夜になると、1時間おきに「ママ」と呼ばれる前に

父の様子を見て

行きたそうだったら起こしてトイレへ行かせることがあったからだ。

脳梗塞で倒れてリハビリテーション病院へ行っても

普通の生活を過ごすことが難しいと言われて

それなら退院させると母が決断して

ヘルパーの力を借りずに介護を続けてきた。

約5年間だった。

「当時の女性は157センチで49キロ、

 母は151センチの29.5キロ。

 重労働を繰り返すうちに腰を痛めた。

 ケアマネジャーに相談し、

 数日中に母が介護施設に入居することが決まった。

 事件前日のことだった。」

しかしこの時点で長女である娘はSOS状態で

アップアップだったはずだ。

もっと言えば介護は完全に破綻して

一刻の猶予もなかったはずである。

すぐに施設に入居させるか

入院させるなりの方法があるべきではなかったのか。

「再び2人になってから、

 母が『トイレに行きたい』と繰り返す一方、

 女性は腰痛のため応えられなかった。

 『助けを求めたかったが、誰の顔も思い浮かばなかった。

 一人で思い詰めてしまった』。」救急隊が撤収してから約2時間後、

 ベッドにいた母の首をビニールひもで絞め、包丁で刺した。」

 その前に、事件当日の午前4時ごろ、

 物音で目を覚ますと、自力でトイレに行こうとした母が

 ベッドから落ちていたが、長女は腰痛で

 持ち上げることができなかったため、

 110番や119番で助けを求め、

 駆け付けた救急隊員らは母をベッドに戻したが

 「今回は特別な対応」と伝え、

 他の行政サービスを勧めて撤収した。

 しかし、他の行政サービスとはどういうことなのだろうか?

この事件は東京都国立市で起きたのだが

介護する側が腰痛で不可能になった時に

国立市はちゃんとした支援サービスというのがあっただろうか?

ネットで検索したのだが

結局はケアマネジャーと相談しながら

自分にあったサービスができると記載されていたが

突発的に介護が出来ない場合のことには触れていない。

すべては介護保険制度の枠を超えることは

許されていないからで

それをやるためには有料という原則もあるからだ。

その額も適正とは限らないからだ。

「猶予判決を受けた女性は、

 これから息子と一緒に暮らすことも考えているという。

 介護が必要になる平均年齢は75歳といわれている。

 遠くない未来、自身が介護される側になったときに何を思うのだろうか。」

これは加害者である女性だけではなく

すべても「いずれは介護される側」の人間の問題なのだが

自分の身に迫ったときになって初めてわかることが多い。

でも、それが手遅れになっているのだ。

これを何とかしなければならないのに

高市早苗内閣は無策の状態だ。

憤りしかない。

女性の趣味は旅行だった。

「自宅近くの線路を通る特急列車で出かけたいと何度も思いをはせた。

 介護を始めてから一度もかなわなかった。

 母を殺害した直後、

 特急の終点の長野県まで逃亡する考えがよぎったが、

 遺体を放置するのは気がとがめた。

 『すぐ逮捕される』とも思い直し、自ら110番した。」

本当にやりきれない。

でも世間はそんなことを他人事としか見ようとしないのだ。

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