虐待はしつけの結果で起きたことなのか 野田女児死亡で父親に懲役16年の判決

日本という国は

教育としつけという目的で

虐待と洗脳と服従という

人権に反する行為が許される。

何しろ、引きこもりにある子どもを

父親が殺しても

世間的には、父親が同情されることが

多いのだから。

 

昨年1月に起きた野田市

女児虐待死事件で

傷害致死罪などに問われた

栗原勇一郎被告(42歳)に

千葉地方裁判所

懲役16年(求刑は18年)の判決を言い渡した。

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「先例超え悪質」とこれまでの虐待事件の

傾向を上回る判決だったとのこと。

(上の写真、以下も東京新聞3月20日朝刊より。)

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「理不尽な不満のはけ口」として虐待を

「常態化」させたと断罪したと同紙・千葉中央面から。

しかし、これまでの虐待事件に比べれば

どこが悪質化したのかが

全く見えない裁判に終始してしまったような

感じがしてならないのだ。

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上の記事では、虐待やドメスティックバイオレンスの当事者支援に

携わる臨床心理士が何度も地裁に足を運んだのに

「被告は命を奪った結果だけを受けとめ、

 虐待に至った過程に今も目を向けていない。

 暴力的支配が生まれた理由が分からずじまい。」

だと残念がっていたと。

その通りだ。父親が虐待に至った経緯よりも

虐待したことを認めるか認めないかに

審理が集中して、かえって

加害の本当の理由に迫れなかったのは

とても痛いことだと思う。

被告にしてみれば、

あくまで子どもにたいして

「しつけ」をやり過ぎた結果が

こうなったという自覚しか

残っていないのではないかと思えてしまう。

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上の記事は20日読売新聞朝刊の千葉・東葛面の26面だが

弁護側の主張を見てると、

被害にあった女児はまるで

「父親のいたわりや心配りにまったく応答せず、

 常に反抗的な態度をとって、

 注意をすれば暴れ回って

 それで激しいことをすればきちんと反省した態度をとって

 この繰り返しが結果的に死に追いやってしまった。」

はっきり言わせてもらえば、

「むごさ異常」なのは、

父親のみならず、

弁護士、さらに県の児童相談所、さらに

野田市役所や市の教育委員会がみんな

揃って「リンチ」の如く

虐待を加えた加害者のように見えてならない。

さすがに県も市も

謝罪に近いコメントを出していたが

父親のウソを見抜けなかったことの

罪は非常に大きいことだと思う。

下の写真も同紙の27面だが

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この裁判を担当した裁判員は判決後に

この虐待の事実に対して、信じられないことだという

感想を述べていた。

「真実を自分の口で話してほしかった。」 

「自分の保身に走っていた。」

「(被告が法廷で)ずっと流していた涙の意味がわからなかった。」

「(女児の実名)さんや母親に責任転嫁している。

 もう一度事件を見つめ直してほしい」と

語気をつよめる発言もあったという。

この理由について、

虐待の様子を収めた、被告自身の撮影による

動画が法廷で再生されたからだ。

初公判ではこの動画を見た女性の裁判員

精神的に動揺して、一時休廷になったこともあり

専門家からは判決後も心理的ケアを継続する必要があるとの声も。

しかし、父親がなぜ「虐待」をしたのかが

本質的にわからないと

罪を償うことができないと思う。

 

 

あの目黒の虐待死事件では

フジテレビの「ザ・ノンフィクション」が

父親がその人生の過程において

失敗の連続でコンプレックスを背負い

「せめて継子であっても

 理想の父親になって立派な家庭をつくろう」

としたことが逆効果になったのではと指摘。

 

「自分のような人間が父親になってはいけなかった。

 ごめんね。」と判決が言い渡されたときに

加害者となった父親が判決後にそう言ったという。

あの被告人もひょっとしたら同じ轍を

踏んだのではないのか。

虐待のきっかけは沖縄から野田に引っ越したころから

だといわれている。

目黒の事件も香川から引っ越したころから

残忍な凶行が始まった。

共通項がある。

そこから更なる深層に迫れないのか。

これでは、

虐待死がなくなることがないと思う。

 

ちなみに父親側は、

判決を不服として控訴した。

 

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