東京新聞の記者が実際に
スキマバイトのアプリに登録して
「実際に働いてみる」をやって
そこから見えない闇を引きずりだした
特集記事はとても良かった。
私は10年くらい前に
一日だけの派遣労働をやったことがあるが
その時はきちんと特定の場所に集合した上で
対面で派遣企業と登録手続きを取り、
ガラケー(携帯電話)から来る情報を受けてから、
希望の返信を出して、業務内容を確認してから
働き先へと向かったものだ。
もっとも前日になってキャンセルになったこともあったが。
いまではスマホで全部できるようになったから
面倒くささがなくなり、気軽に働けるようにはなったが
じゃあもしも「労働災害」に出くわしたらどうする?
誰に相談できますか?
この災害には公的な保険が適用できるが
どうやって手続きをとったらいいかわかりますか?
通勤の最中にもトラブルがあるかもしれない。
実際に職場に到着して
事前に説明された業務内容と違う指示をされることもある。
もしもそうなったら「異議あり!」ということが出来ますか?
このスキマバイトという代物が生まれた理由は
人手不足だけではなく、
常に職場の動きは変動が激しい状況にあるからだ。
例えば普段は10人ぐらいで回せる部署が
突然3倍以上の人手がいる場合は
レギュラーの派遣社員だけでは手が足りないことがある。
人手に「スキマ」が出来るということだ。
その穴を埋めるために「日雇い派遣・バイト」を募集したいが
無駄に採用関係の予算をつぎ込むことができないし、
日雇いの派遣は法的に禁止されている。
だからタイミー(Timee)のような企業が躍進したということ。
上のHPでは、
事業者様とワーカー様が雇用契約を直接結ぶという点が、
派遣サービスと大きく異なる点ですと書いてあったが
東京新聞の潜入取材では
その事業者様の名称が当日の仕事場に着かなければ
「わからない」ことから
事業者そのものが実在しているのかが怪しいのではと
取材を進めたら、事実上「名ばかり」の事業者だったことが
明らかになったこともあった。
タイミーは急速に事業を拡大してきたことで
スポットワーカーと言われる労働者に
思わぬ「落とし穴」をつくっている感じだ。
だから、スキマバイトをするなら
事業者側に舐められた態度をとられないように
是非とも「労働条件通知書」を働く前に提示してもらうべきだし
出さないところで働くべきではないのだが
タイミーのような「紹介会社」は
そのまで親切にはやってくれないのが問題なのだ。
まぁ年収106万から178万円まで壁を突破できたら
短期のバイト市場も大きく変化するかもしれない。
そうなったらスキマバイトをめぐる状況も
妙な方向に「変質」するかもしれないだろう、と思う。