国家戦略特区のハウスキーパーが「ゴミ」扱いで捨てられた!

かって、あの竹中平蔵氏が

「外国人ハウスキーパーを時給100円で雇えるようにすれば

 どの家庭でも利用することが出来る。」と

おどろくべき発言をしていたが、

いまやこんな事態になるとは。

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先月5日の東京新聞一面、

あの「加計学園」疑惑で注目を集めた

国家戦略特区による外国人家事支援事業、

ハウスキーパー」を外国から雇えるように

介護事業者「ニチイ学館」に受け入れを委託し、

苦情処理や同社への監査を第三者による管理協議会に委ねる

仕組みを取ったのにもかかわらず

フィリピンから来日した206人が契約更新されず、

その中の48人が行方不明になったというのだ。

今年3月末に489人更新されるはずなのに、

その約半数は「クビ」になったわけだ。

管理協議会は4日から聞き取りを始めたが

「3年の契約が2年で打ち切られた」

「日本語の試験で合格ラインに達していなかった」

(これまでは達しなくても契約は更新された)

「日本は町もきれいで食事もおいしくて大好き。

 だけど、仲間に私のようなシングルマザーも多かった中、

 今回のようなことは本当に残念。

 一生懸命働いたが結局、十分な説明もなく、都合よく切り捨てられた」

(すべて記事より)

 

企業側は需要を喚起できなかったとか言ってるが

もともと日本におけるハウスキーパーの需要は

欧米と比べてとても少ないはずではなかったか?

最初に出した竹中”暴言”も

あらかじめこうなることがわかっていたから

こんなことを言ったのではないか。

ちなみに記事ではこの人物は会長を務める

パソナ」がこの件による質問に

「コロナ禍で新規スタッフの入国予定に

 遅れが生じている」、

また他の人材派遣企業も

雇い止めはなくむしろ人材不足だと回答し

あくまでもこの問題は

ニチイ学館」の見通しの甘さによるものだと

言ってるのだ。

しかし同じ業界で一つの会社がこのようになって

問題が出たらば需要がある中で

雇い止めが出た労働者に手を差し伸べることが

なぜ出来ないのだろうか。

同じ派遣業界で手を組んで

需給のバランスをうまく調整できれば

特区の取り組みは成功して

新たな労働政策を生み出せるはずなのに。

 

さらに先月の23日、同紙社会面には、

ニチイ学館ハウスキーパーとして雇った

女性の寮を抜き打ち検査して

部屋干し下着の写真を撮ったり

勝手に引き出しを開けたりするなど

人権侵害と言われてもおかしくない行為をしたという続報が。

 

「下着姿の人もいる中、

 携帯電話もチェックされるなど、

 プライベートな部分にも入り込まれ、

 その後何人かが雇い止めになった。

 人減らしの理由をつくろうとしているようにしか見えない。」

そのあとニチイ学館は悲しい思いをした元スタッフがいることを重く受け止め、

真摯に対応し、相談窓口を設置するとか言ってたというが

信用していいのか?

 

「外国人の労働問題に詳しい京都大の安里和晃准教授は『ニチイが事業の需要を喚起できず、労働者に待機時間があったのであれば、『抜き打ち検査』で懲罰的に帰国を迫るのではなく、日本語能力試験などの目標を設定して特定技能に切り替えられるように対策を練るなど、日本に残るための選択肢も用意すべきだ』と批判した。」

(記事より)

私もそれが一番だと思うが、

果たしてニチイ学館がどうするつもりか。

内閣府は「問題があれば管理協議会で通じて指導していきたい」としてるが

あまりにも他人事のような態度。

これでは日本で夢をかなえたい

女性たちがかわいそうすぎる。

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(今月7日の同紙社会面。6日の参議院内閣委員会で

 坂本哲志内閣府特命担当大臣共産党・田村智子議員の質問に対して

 ニチイ学館に事実関係の報告を求めたことを明らかにした。

 さらに野党議員も参加したヒアリングで当事者の涙ながらの訴えに

 出入国在留管理庁の担当者らはみなさんの声を聞いて真摯に対応したいと。

 本当にやってくれるかどうかはまだわからないままだ。)

【独自】ニチイ学館206人契約更新せず フィリピン人女性48人所在不明 家事支援で来日 国・都が調査:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

「都合よく切り捨てられた」 ニチイ契約打ち切り 40代女性生活困窮 ホテル転々、所持金1000円に:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)