「運送会社のドライバーからAmazonの荷物が多くなり過ぎて
悲鳴を上げているという報道がされていたが
Amazonとドライバーは直接の契約関係はないが
この声をどう受けとめるか。」
「Amazon(アマゾン)とドライバー・配送業者の間で
それをどう活用するかを話しを、している。」
18日に放送されたテレ東の「カンブリア宮殿」。
辞めさせられて1年以上経ったアマゾンジャパンの内部と
そして個人事業主扱いされている
配達ドライバーの現状を見ようと録画してじっくりと。
カッコ内はホストの小池栄子が
ゲストのアマゾンジャパン社長
ジャスパー・チャン(59歳・香港出身)への
質問とその答えだ。
内容の大半はアマゾンジャパンの最新の事業紹介は仕方ないとして
(生鮮食品への進出・アレクサ・中小企業の海外ビジネスの後押し
シルバー産業の連携など)
やっぱり気になるのは倉庫のほうだ。
千葉市にある最新の倉庫は
動く商品棚からのピッキング(ピック)の効率化、
すなわちピッカー(ピック専門の担当)がいなくても
棚がマテハン(コンベア)のそばにいる
スタッフのいるところまで動いてくれる。
あとはオーダーに品物をコンテナ(オリコン)に入れるだけ。
時間短縮と少人化につながる。
そして最新式の梱包マシンでは
ダンボールや専用の包材がなくても
簡単に梱包(袋詰め)が出来るようになっている。
配達の手間や無駄、すなわち
トラックに入れられる荷物を多くすることができるのだ。
しかし、商売だから注文の数が多くなれば
配達のための手段を多くしなければ話にならない。
「MakeAmazonPay」の掛け声のもとに
賃上げと職場環境改善を訴え、
日本でも契約ドライバーが目黒の本社前で
直接行動を起こしたが
前述の質問の通り、直接の契約関係がないため
無視を決め込んでいる。
それだけではない。
番組では収入減に悩む牛乳販売店の店主らに
アマゾンが配達を頼むというシステムを導入したというのだ。
Amazonhub(アマゾンハブデリバリー)と呼ぶ。
「配達の時間をつくってもらえば(店にとって)収入になる
地域の中では(店と住民が)コミュニティーになっている
安心感もすごく大きいのでウインウインになっている」
(チャン社長)
「『この日は何個にして』とか
『この日は休む』と言えば何でも(Amazonは)聞いてくれるし
(ノルマは?の質問に)
そういうのがないからいいんだよね(笑い)」
(牛乳販売店主でアマゾンハブデリバリーの配達もする
服部玲介さんのコメント。)
契約ドライバーからすれば
「ふざけるな!」と言いたくなるような
ウインウインだが、
物流2024年問題を抱える側としては
配達のプロ的存在を
早いうちから抱え込んでいくということかもしれない。
しかし、2022年のアマゾンジャパンの売り上げは
243億ドル(約3.5兆円)だ。
これだけ儲けているなら
もっと末端にまで還元すべきではなかろうか。
以前だったか、千葉市と連携して
ドローンでの配達実験をしたようだが
やっぱり配達ばかりは人の手を借りなければ
無理だということをトップはわかっているはずだ。
いい加減にドライバーたちを
自分たちが間接的に雇っていることを
認めるべきだ。そうしなければ
世界4位(同じAmazonの中で)を2位以上にすることなど
夢のまた夢で終わるだろう。
(文中一部敬称略)