ボルテスⅤ(ファイブ)とフィリピン大統領選挙と

きのうの東京新聞「視点 私はこう見る」を読んだらなつかしいアニメと主題歌が出てきた。
「たとえ嵐が吹こうともたとえ大波荒れるとも~」
私が子供の頃に土曜の夕方になると
よく見ていたテレビアニメ
「ボルテスⅤ(ファイブ)」だった。
5つのメカが合体して超電磁マシンロボットになって地球を破壊する悪と闘うストーリーだが
小野木昌弘論説委員によると
なんと日本で放映された同じ時期の
1978年にフィリピンでも放送されて
最高視聴率は38%もとったそうだ。
しかし翌79年の最終回直前に
放送が打ち切られた。
当時のマルコス大統領が
その内容に革命を連想させるからだということで。
それから7年後の86年に
市民の力による革命でマルコスは失脚。アキノ大統領誕生で
独裁国家だったフィリピンで民主化が進み、ボルテスⅤも最終回まで放映された。
「革命が起きたから放送された。」
「いや、放送するために革命が起きたんだ。」というジョークも広まったほどの人気で
さらに今年フィリピン制作で
実写版がリメークされ同国内で
放送されるというから
これは凄いことだ。
そしてフィリピンは今年大統領選挙で
なんとマスコミでも注目した
元プロボクサーのパッキャオ氏の他に
元大統領の長男フェルディナンド・マルコス上院議員も出馬を表明し
昨年秋の意識調査では
なんとマルコス氏がリードしている。
つまり、フィリピンは民主化よりも
強権主義的な政治を求める空気が
支配しているが
ボルテスⅤの人気は衰えない。
こんな皮肉はないということで
「マルコス時代は戒厳令(何度も出し続けた)ゆえに治安が良かった。」
という中高年の昔を懐かしむ声があるが、マルコス家には圧政や不正蓄財という印象しかないという悪印象しかないと意見もある。
果たしてどのような結果になるのかは
わからないが、争点ははっきりしている。あとは革命前にやっていた
大統領選挙のような混乱がないことに
ならないでほしい。
それにしても、超合金まで買ってもらったあのアニメが海を越えて
フィリピンまで大ヒットを飛ばしたとは感慨深い。
「地球の夜明けはもう近い~」で
主題歌は終わる。
この国にも夜明けがいつになるか、
まだ見えない。
でも、あきらめてはいけないのだ。