真珠湾攻撃を仕掛けたのはイギリスだったのでは?

12月8日が太平洋戦争の開戦の日ということで

なぜあの戦争が起きたのかを

自分なりに考察してみたが

shiraike.hatenablog.com

いま一つ説得力がないなと思ったら

9日発売(10日発行)の

日刊ゲンダイで外交評論家の

孫崎亨(うける)氏が

このような論考を書いていた。

f:id:shiraike:20211210012058j:plain

真珠湾攻撃というこの奇襲攻撃は

アメリカとイギリスの当時の指導者が誘導し、

歓迎していた点があったことを

指摘すると言う内容。

「リメンバー・パールハーバー」の怒号で

アメリカが日本の行為を非難するのとは

真逆の真相だ。

 

もともと第二次世界大戦

ナチス政権のドイツとファシスト政権のイタリアが

ヨーロッパ大陸で自らの勢力を拡大させる中で

一度は中立条約を結んだソ連(現・ロシア連邦)と

イギリスが自らの領土が侵略されることに

危機を感じたことから始まったといえるが

イギリスはアメリカの協力を得て

ドイツを叩きたい。しかし

アメリカは当時はモンロー主義の台頭で

他国の戦争に中立的立場を取っていた。

ドイツもアメリカとの闘いを望んでいない。

そこで日本にアメリカと戦わせようを画策したのが

イギリスというわけだ。

 

「17か月の孤独な闘いと恐るべき緊張の後、

 真珠湾攻撃によって我々は勝ったのだ。

 イングランドは生きるだろう。

 英国の歴史は終わらぬだろう。

 ヒットラー(ドイツ)の運命は定まった。

 日本人に至っては微塵に砕かれるであろう。

 とんまな人間は米国の力を割り引きして

 考えるしかなかった。(中略)

 米国が巨大なボイラーのようなもので、

 その下に火がたかれると、作り出す力には

 限りがない・・・」

これは真珠湾攻撃の報告を受けた

当時のイギリス・チャーチル首相の日記に

書かれた内容の一部だが

この時は日本の攻撃にアメリカが大きな衝撃を受けたという

記録が残されていると言われているが、

イギリスはさらに先を見据えて

アメリカが日本の10数倍の戦力があり

最終的に日独伊の枢軸国が長期戦に耐えられずに

敗北すると見立てたのだった。

 

真珠湾攻撃後、米国がどう反応するかを

 客観的に判断できていれば

 戦争が回避できたのにもかかわらず、

 日本側に『行動を起こせば相手がどう反応するか』

 という思考が欠如していたのである」と孫崎氏。

確かに軍部が政治を握り、治安維持法反戦思想が弾圧され

一億総動員体制で「鬼畜米英!撃ちてし止まん!」の空気では

戦争を一度起こしたら止まらない状況に

陥っても仕方がない。

しかしそれを作ったのが

当時の「大日本帝国」なのだ。

そしてその「失敗の本質」が

現在の国際情勢の中で

いまの日本が反戦へ向けて

正しい判断が出来る教訓につながるのかが

問われているが、それがいま心もとない感じだ。

孫崎氏もその思考の欠如が

「敵基地(先制)攻撃論」や

「(軍民共同の)経済安保」に繋がっていると

厳しく指摘している。私も同意だ。

www.nikkan-gendai.com