武蔵野市の住民投票条例報道で思ったこと(読売と東京・新聞での比較より)

先週末から、東京都武蔵野市

留学生を含む3か月以上住む

18歳以上の「定住外国人」にも

投票権を与える住民投票条例案

松下玲子市長が市議会に提案したことで

市内や新聞報道がやいのやいのの

大騒ぎになっている。

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こちらは29日の読売新聞朝刊3面「スキャナー」より。

この記事を昨日朝刊の社説で

条例案に反対している。

この記事では、10・31総選挙で

武蔵野市を含む東京18区で落選した

長島昭久自民党)が街頭演説で

「市の政治的決定に大きな影響を与える」とか

参政権は国民固有の権利だ」とか

のたまわっていたことも書いてあるが

「広義の参政権、国に影響も」東京・武蔵野市の外国人住民投票権 (msn.com)

私に言わせれば、

ひどい妄想をまき散らしているとしか思えないのだ。

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29日東京新聞特報面「本音のコラム」で

武蔵野市で仕事をしている看護師の宮子あずささんが

長島と同じ自民党佐藤正久(元外務副大臣)が

8万人の中国人が転居すれば武蔵野市の行政を牛耳ることができるから

住民投票条例案に反対するツイートをしたことに

「投票も目的に転居者が殺到するとは考えられない。」

「何万人も転居したらどこに住むのか(中略)

 高齢や外国籍などの条件があると、

 賃貸住宅への入居が難しい」

そして、条例案によれば

市と市民全体に影響を及ぼす事項について

賛否を問うが、その結果は議会と市長が

さらに審議を行うことになっていて

影響はあっても結論は必ずしも

投票の結果通りにならない可能性もあるので

住民投票の効力を高く見積もっている」

極論であると批判している。

実際に読売の記事でも、

2017年に滋賀県野洲市

市立病院の整備計画を問う住民投票が行われたが

「規定の投票率」に満たないために「不成立」。

さらには沖縄県与那国町で2015年に

自衛隊の駐屯地誘致の賛否を問う投票が行われ

永住外国人も投票した事実があったが

なんとたったの5人!お話にならない。

(賛成632票・反対445票)

外国人も参加できる住民投票が行われても、

それが成立した例がないどころか

実施された例が少ないことや

兵庫県明石市のように条例案が提出されても

「対象範囲を拡げすぎ」で採択されなかった例もある。

(2015年)

では、武蔵野市はこの条例案は議会で採択されるのかというと

多数の議員が賛否を決めかねていることから

まだ通るかどうかがわからないことから

ヘイトスピーチも飛び交うくらいの

大騒動が続いているというわけだ。

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こちらは東京新聞2日の社説。

武田真一郎成蹊大教授(行政法)が

ここまで行われた住民投票で外国人に投票権を認めた条例は

200件を越え、現在では外国籍住民の登録制度があることで

定住者を把握しやすいことから

武蔵野市のような条例はさらに増えるだろうと見ている。

だから長島・佐藤らは「広義の参政権」だとわめく理由があると見えるが

それがひどい妄想なのだ。

読売の記事にあったが国政のレベルでは

総選挙で公明・共産が公約に入れていたが

論議が拡がらなかったように、

外国人の住民投票の参加はあくまでも

地域のコミュニティに関わる必要最小限の問題に

限られた「関心」しか及ばないと私は見ている。

本来なら自治体が定住・永住外国人

直接対話の機会を積極的に作ればよいのに

現状ではそれを妨害する勢力が行政や議会を

牛耳っている現実があるからこそ

住民投票条例を導入すべきではと武蔵野市が提案したのだ。

東京の社説は結びで

「地域の大事な課題に意見を表明することは、

 表現の自由として保障された基本的人権だ。」とし

国際協調や多様性が重視される時代になったからこそ

街の特色を生かした地方自治の一つとして

条例を活かすべきである(表現は私が替えました)と。

さらにもうひとつ、

定住・永住外国人は私を含む国民と同じ

「納税者」であることも忘れてはならない。

もうひと付け足し。

三浦瑠璃じゃないが

武蔵野市の外国人が全員

敵国からのスパイ活動を盛んにやっている事実なんて

聞いたことがない。

キャンペーン · 松下玲子武蔵野市長の提案する武蔵野市住民投票条例(仮称)の制定に向けて、松下武蔵野市長を応援します! · Change.org