(承前)
大雨が降り続く中、名護市辺野古から
路線バスで名護城入口へ。
そこから本部港へ行く便に乗り換えて
安和の「セメント工場前」バス停へ。
ここから辺野古埋め立てに使われる土砂が
桟橋に運ばれて、
東シナ海から太平洋へと渡って
現場に運ばれている。
この日はいなかったが
ここでも抗議活動が行われているのだ。
雨なのにダンプカーは
桟橋のほうに入ってくる。
そして桟橋から出てくるとセメント工場に戻り
そこからまた別の場所へと向かい
また工場に戻ってくる。
セメントの運搬車と併せて
慌ただしく走り抜けてくる。
その車の一部からは
カバーが掛けてあるにもかかわらず
水にぬれた土砂が
下に流れているのも見た。
激しい雨が降り続いている、
それでも止まらない。
まさに涙雨、号泣の雨が止まらない。
道路沿いには抗議の
横断幕がたくさん掲げられていた。
作業員からコロナウイルスの感染者が出たという理由で
一時中止していた埋め立て工事は
沖縄県議会議員選挙終了後に再開された。
県民の民意が再び無視されたのだ。
しかし反対の訴えは止まらない。
この誰もいない場所からも
その声が大きく聞こえてくる。
そんな思いがした。
「米軍基地よりもコロナ対策に税金使え!」
「私たちはデニー知事を支持する!」
「許さん!安倍政権!」
「ふるさとの土は平和のために使いたい!」
「土砂の流出はコロナの感染リスクを高めるぞ!」
帰りのバスを雨宿りをしながら待つまでに
私は多くの叫び声を聴いたような気持ちだった。
初日の予定はここで終わり。
再びバスを乗り継いで那覇の宿へ。
雨に濡れて風邪をひきそうになり
熱いシャワーを何度も浴びて
やっと体調をもとに戻した。
着ていたものは全部コインランドリーで洗濯する。
(つづく)