5月上旬に
広島市でピアノ工房を営む
矢川光則さんから便りが届いた。
多くの寄付や支援によって
制作が進められていた
被爆ピアノをテーマにした
映画が完成したのだ。
「おかあさんの被爆ピアノ」
矢川さんの役を佐野史郎さんが演じ、
AKB48の武藤十夢が演じる東京の女子大生が
そのコンサートに行き、矢川さんに会ったことから
広島や祖母のことに関心をもつようになり
自らのルーツ探しをしていくという
ストーリーだ。
私が被爆ピアノと出会ったのは
2017年の8月13日。
映画「ひろしま」の上映と
このピアノの演奏会が市民会館で行われた。
矢川さんが挨拶をして、地元の演奏家によって
奏でられたピアノは
美しさの中に、何か時代の思いを残したいと
するものを感じさせた。
終了した後、主催者側から
ピアノを近くで見ていただいて
少しだけですが触れたり弾いてもいいですよとの
アナウンスがあったので
舞台に上がり写真を撮った。
ほんとうに調律だけでなく
さまざまな手入れが施されていて
矢川さんが被爆という悲惨な歴史の生き証人として
このピアノを残し続けたいという
熱意を感じた。
「70年経って被爆体験者は段々いなくなっていて、
あと10年したら殆どいなくなる。
けれど、被爆ピアノは、その音色でずっと原爆のことを
伝えていくことができる。」(写真のチラシより矢川さん)
また、脚本・監督の五島利弘さんは11年前に被爆ピアノの
ドキュメンタリー番組をつくったことで
戦争の記憶をかたりつぐことができる作品を
改めて映画にしたいと思ったという。
上映は15日から
この後に東京などで公開予定だ。
非常事態宣言が徐々に解除されて
ミニシアターでの公開が
可能になってきた。
絶対に見たい一本だ。